オルメルト首相、ブッシュ大統領と会談へ(アル・アハラーム紙)
2006年05月25日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領が数日中にイスラエルのオルメルト首相と会談予定
■ アメリカは交渉によるパレスチナ-イスラエル紛争解決を望む

2006年05月25日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ワシントン:ハーリド・ダーウード、ホダー・タウフィーク】

アメリカのジョージ・ブッシュ大統領は、イスラエルのエフード・オルメルト首相の西岸地区からの一方的撤退計画を、中東和平プロセスの重要なステップであるとみなした。しかしながら大統領は、最終的地位交渉のいかなる当事者も他を差し置いて一方的措置に踏み出すことは許されない、とも指摘した。

 ブッシュ大統領は一昨日のオルメルト首相との会談後の記者会見で、平和的解決は交渉による相互合意に基づいて実現されなければならないと発言した。しかしそれにもかかわらず大統領はオルメルト首相の考えを「大胆だ」と評して歓迎する姿勢をあらわにし、「パレスチナ人との交渉が失敗した場合には実行する事が可能であろう」とも述べた。

 一方オルメルト首相はロードマップに従ってパレスチナ人との和平に至るためにあらゆる手段を活用していきたいとの願いを表明したが、「イスラエルとしては容認できる対話の相手がパレスチナ側に現れるのをいつまでも待っているわけにはいかないし、外交的人質となってハマースの手中に落ちる事は受け入れない」と警告した。

 しかしながらオルメルト首相は近い将来パレスチナのマフムード・アッバース大統領と会見する予定がある事を示唆した。他方、パレスチナ大統領府はオルメルト首相がブッシュ大統領に提案した考えを拒否し、あいまいで後ろ向きだ、と評した。

 またアッバース大統領の報道官であるナビール・アブールデイナ氏は、「和平の道はロードマップに基づいたパレスチナ・イスラエル両者の交渉によってのみ開かれる」と述べた。

 他方、オルメルト首相の政治顧問であるラアナーン・ギッスィーン氏は、オルメルト首相は数日中にエジプトのホスニー・ムバーラク大統領と会談を行う予定であり、それは首相の訪米終了後に行われると明かした。またギッスィーン氏はワシントンから本紙に向けた声明の中で、待ち望まれているオルメルト首相とアッバース大統領との会談を取り持つ重要な役割をムバーラク大統領が果たすことを期待している、とも語った。

 またアメリカのコンドリーザ・ライス国務長官はアル・アラビーヤ局とのインタビューにおいて、パレスチナ自治政府に対しロードマップの受け入れと2国家並存という基盤に立った解決の必要性を呼びかけた。またアッバース大統領は尊敬に値する人物でありアメリカ当局の賛嘆を得ている、と評した。


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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:2546 )