輸入品、平均5%の価格上昇―トルコリラ安の影響(Hurriyet紙)
2006年05月28日付 Hurriyet 紙
外国為替レートの上昇が、輸入車、輸入家電の価格に平均して5パーセントの上昇として反映されている。輸入家具はといえば、価格リストが外国為替レートによって準備されていたため、変化は無かった。
輸入商品販売者たちは、レート上昇を一般的に否定的に捉えており、この件について元通りになることを待ち望んでいる。
イスタンブルで活動しているシーメンス、ボッシュ、フィリップス、ソニー、リーガルといったメーカーを良く知る西洋家電の権威イイト・デミルカヤ氏は、輸入製品すべてが一定の割合で値上げしたと話した。
壁埋め込み式家電で5パーセント、冷蔵庫で10パーセント、食器洗浄機などが8パーセント値上げしたと説明するデミルカヤ氏は、値上げの割合は商品が輸入品かどうか、また商品に使われている部品により決定されると話した。
外国為替取引レートのこういった変動は、マーケットにとって良くないと話すデミルカヤ氏は、商品は外貨と引き換えに購入されるということを改めて指摘し、価格が上昇すると販売サイドは困難に陥ると語った。デミルカヤ氏は、輸入業社はさらなる価格上昇を見込んではおらず、逆にレートが下がることを待ち望んでいると話した。
ボッシュ、シンガー、ブラウン、ダイソン、フィリップス、ホワイト・ウェスティングハウスといったメーカーの家電を販売するジェスル商社社長、トゥルガイ・ジェスルも、外国為替取引レートの上昇によりボッシュから輸入する壁埋め込み式家電で5パーセント値上げをしたと述べた。
6月上旬にもさらなる値上げがありうると指摘するジェスル社長は、「輸入業者は交換レートが低い時、会社を守るためにレートの差を利用する。この差以上の割合で価格を上昇させうる」と話した。
ジェスル社長は、市場において交換レートが以前の状態に戻る望みがあると話した。
■輸入車
オペル車を販売するオピス自動車販売産業株式会社販売チーフのサミ・ヴラルも交換レートの上昇によって自動車の販売価格が5パーセント上昇したと明らかにした。
今後の販売価格は、最も安い車で1500YTL(新トルコリラ)、最も高いもので4000YTL高くなると説明するヴラル氏は「今月は5パーセントの上昇で留まった。恐らく来月の中ごろまではこのまま続くだろうが、必ずある時期に再び価格上昇が起こるだろう。5パーセントの上昇ではすまない」と話した。
値上げ前の業績は順調だったが、今後、今までと同じ価格を顧客に提示することはできないと話すヴラル氏は、年度の初めのこの時期にこのような事態に陥ったことはまったくひどいことだと語った。また、7・8月の販売台数は通常減少するので、この価格上昇の後業績はかなり悪化すると予測した。ヴラル氏は、価格変動の前はすべてのものが適正価格であったのが、今や顧客はショールームに来ることさえいやがる、と話した。
フォード車を販売するタン・オト社の販売部長フェルハン・トゥルハンもこの状況を、「交換レートで20パーセントに到達する平価切下げ」であると主張した。コスト上昇はすべての輸入製品にとって逃れられないと話すトゥルハン部長は、社として5月末まで値上げをしないことを決定したと明らかにした。
6月のはじめに値上げをもう一度検討する、と明らかにしたトゥルハン部長は以下のように続けた。「値上げが再び行われることを誰も望んでいない。値上げは3~4ヶ月続く。8月には5パーセントの値上げがあるだろう。自動車市場では3~4ヶ月の間に新価格が浸透していくだろう。」
日産車を販売するアン自動車販売部長のドアン・オゼルも、交換レートの変動はマーケットに悪い影響を及ぼすと話した。交換レートの上昇の結果、特に4WD車の販売は、外貨で行われているために完全に止まったと説明するオゼル部長は、現在販売されている車の値段は2パーセント近く値上げされたが、さらにこういったことが続くだろうと思っていると付け加えた。
アウディー車を販売するドウシュ自動車販売株式会社の販売責任者ゼイネプ・サカリヤはといえば、販売している車の価格がEU通貨なので何らかの値上げをする予定は無いと話した。サカリヤ氏は、販売状況において、「YTL(新トルコリラ)に敏感な客」であるため業績が停滞しており、顧客は待ちの姿勢に入ったと説明した。
■輸入家具
輸入家具を販売するシヒル家具株式会社共同経営者のムラト・チェルミクも家具の値段が交換レートに伴い上がったと話した。販売している家具の値段がEU通貨であること、価格リストがこれにあわせて準備されると説明するチェルミク氏は、値上げはしておらず、製品価格は交換レートと平行して上昇しているだけだと話した。交換レートにおける上昇が顧客数の半分に影響したと明らかにするチェルミク氏は、以下のように述べた。
「我々の専門分野は寝室家具セットだ。3000ユーロのセットが60億リラだったが、レート上昇で突然75億リラにまであがった。我々は50年続く会社だが、これまでに3~4回の危機を経験した。どれも重大とは考えなかった。とはいえ2001年の経済危機では酷い経験をした。みんなで協力して、あの危機を乗り越えたと思ったらこの騒ぎだ。私が思うに、これもまたひとつの危機と言える。」
現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:2556 )