米下院、エジプトへの支援額削減を正式に否決(アル・アハラーム紙)
2006年06月10日付 Al-Ahram 紙

■ 米下院、エジプトへの支援額削減を否決
■ 激しい論戦の後、わずか27票差で決着
■ 議員はエジプトの戦略的役割・平和維持・段階的改革を賞賛
■ ブライアン・ベアード議員:「エジプトへの対応は、尊厳と尊敬と評価をもっておこなわれるべき」

2006年06月10日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ワシントン:ホダー・タウフィーク】

 米下院では、数時間にわたる激しい議論の後に、議員の過半数がエジプトへの経済支援削減に反対した。議会は援助計画に対する最も厳しい修正案を225対198票で否決したのである。
議論を通じて多くの議員がエジプトの戦略的・文明的役割や、地域における平和維持、エジプトによってなしとげられつつある安定した段階的改革の擁護に立った。また、支援削減はアメリカと中東地域における戦略的最重要パートナーとの関係にひびを入れるということを確認した。

 これまでに民主党のデイブ・オベイ議員、民主党のトム・ラントス議員、共和党のヘンリー・ハイド議員の3名が、経済支援のうち1億ドルを削減し、エイズ研究とダルフール支援にあてるよう求める修正案を提出していた。

 エジプトにおける民衆化の進展が遅いとする見方と、エジプトは米の友好国が少ない混乱した地域における最も重要な同盟国の一つだとする見方の間で、激しい議論が交わされた。
民主党のキャロリン・キルパトリック議員は、アメリカは主権を有する独立国家としてエジプトが強くあることを必要としていると語り、ムバーラク大統領はエジプトの実情に即した改革実施のために、この12年間を通して多くの条例を施行してきたと指摘した。また、エジプトが最近3度にわたって、過去20年間見られなかったようなテロ攻撃にさらされたことは、急速な改革が困難であることを意味し、崇高な目的を奉じる国家であるエジプトとのパートナーシップを守らなければならないと述べた。(中略)

 民主党のブライアン・ベアード議員は、改革の歩みが遅いというエジプトに向けられた批判に反論し、アメリカ自身、民主化と憲法改革の道のりにおいて長い歳月と幾多の内戦を経験せねばならなかったのであり、現在エジプトが進めている改革の中身とスピードはかつてのアメリカ以上であることを議会に想起させた上で、「エジプトへの対応は、尊厳と尊敬と評価をもって行われるべきだ」と語った。



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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:2691 )