「イランの核計画はアラブ諸国に危害を加えない」:ラーリージャーニー氏、エジプト高官らとの会見で シャルグ紙
2006年06月12日付 Sharq 紙
【政治部】イラン核問題の最新局面をうけ、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記は土曜、エジプトの首都、カイロに発った。エジプトが国際原子力機関の理事国であり、イラン核問題が同機関加盟国に審議されることを考えると、同書記のカイロ訪問もこの方面でのねらいがあると思われる。
ラーリージャーニー氏をはじめとするイラン高官らも、訪エジプト会談における最重要課題がイランの核問題だと述べている。しかし、この訪問は別の次元からも熟慮に値する。それは、過去27年にわたり冷え切っていて、しかもここ2年は両国の利益保持のための事務所レベルに留まっている、両国の政治関係である。このような状況の中、この冷え切った政治・外交関係を押して、エジプト高官らと核問題を話し合うべく、ラーリージャーニー氏は土曜、2日間のエジプト訪問に出発した。
同氏は核問題をめぐるイラン高官らのアラブ諸国外遊の一環としてイエメンの次にあたるこの訪問で、昨日はエジプトのホスニー・ムバーラク大統領、アフマド・アブルガイズ外相、アムルー・ムーサー、アラブ連盟事務総長と会談した。
ラーリージャーニー氏とムバーラク大統領は30分にわたる会談で、地域の様々な問題と局面、特にイラン核問題に対する自分たちの見解を検討した。その後、ラーリージャーニー氏はムーサー、アラブ連盟事務総長と会談し、その後の記者会見でイランの核活動が平和利用目的であることを強調した短いコメントを発表した:「この計画はアラブ諸国に危険をもたらすものではなく、イランは核爆弾を追い求めてはいない」。ラーリージャーニー氏のこのような発言は、ここ数ヶ月、アラブ諸国が西側の圧力で何度も、イラン核計画に対する懸念を表明してきたことを受け、彼らの懸念を取り払うねらいがあった。
ISNA(イラン学生通信)の報道によると、同氏は次のように付け加えている。「私はアムルー・ムーサー事務総長から思慮深い言葉を聞いた。それは、アラブ諸国は平和利用目的の核技術の獲得に努めなければならず、これは適切なやり方である、というものだ」。ラーリージャーニー氏は以下のように続けた。「イランが核知識の獲得に成功したことはアラブ諸国の成功ともみなされ、そこに矛盾はない」。
同氏は、先週火曜イランに提出された国連安全保障理事会常任理事国5カ国+ドイツの包括案についての質問に次のように答えた。「我々は包括案を吟味している。その中には評価すべき点もあるが、もちろん難点もある。私はメディア報道に問題点を見つけたので、本当のところを公表する必要があると考える」。
同氏はコメントの中で次のように続けた。「はじめ、ハビエル・ソラナEU外交代表によってイランに提出された包括案の中に見返りと懲罰が盛り込まれている、と伝えられたが、これは正しくない。我々が受け取ったものはイランと前向きな取引をしようという案であり、そこに懲罰への言及はなかった」。その後同氏はエジプト外相と会談し、イラン核問題の最重要局面について相談した。
ISNAの報道によれば、エジプト外務省はこれに関し次のように発表した:アフマド・アブルガイズ外相は、エジプト高官との会談のためにカイロを訪れていたイラン国家安全保障評議会書記との会談で、イラン核問題の最新局面、特にソラナEU外交代表によってイラン政府に提出された6カ国包括案について検討した。この会議は、地域の諸問題、特にイランの核問題に対するイラン政府の見解を説明する目的で行われた。
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( 翻訳者:岩間 縁 )
( 記事ID:2713 )