トルコ中央銀行総裁、経済安定化のために3つの警告(Milliyet紙)
2006年06月14日付 Milliyet 紙
消費者へ:クレジットカードで現金を引き出さないように。請求額を期限以内に払い、クレジットカードで行った支払いがローンにならないようにしなさい。短期の借り入れが必要なら、より低金利の消費者ローンを使いなさい。
企業へ:外貨収入がないにもかかわらず、外貨ローンを利用しているのならば、外貨準備不足をリスク要因として考えなさい。為替レートのリスクから身を守るテクニックを適用したり、イズミル・デリバティブ(金融派生商品)市場の利用も考慮に入れなさい。
金融機関へ:経済が拡大する時期には物価が急速に上昇する。ローンで購入された家の価値に予想される突然の落ち込みは、保証価値を引き下げる。クレジットカードから現金を引き出すことは、予想できない追加的な流動性のリスクを生み出すだろう。
トルコ中央銀行のドゥルムシュ・ユルマズ総裁は、消費者に対しクレジットカードに関する警告をした。昨日、金融安定・リスク報告の発表のために行った記者会見で質問に答えたユルマズ総裁は、可処分所得の相対的に小さな増加に対し、消費性向が急速に高まったことが、国民の負債を増大させる結果をもたらしたと述べた。ユルマズは、クレジットカードが一般にカード所有者に対し加盟店で現金を支払うことなしに物やサービスの購入を可能にする支払方法であると説明しながら、次のように述べた。
「クレジットカードの利用者が現金を引き出したり、行った買い物の対価の支払いを一定期間延長しようとした場合、その支出はローンになる。クレジットカードがローンを利用する手段になっている。クレジットカードを発行する会社は、POSシステムの導入コストと、国内外の支払いシステムに対するメンバーシップのコストを負担しており、想定外の現金の引き出しにより追加的な流動性のリスクを抱えている。クレジットカードの利子は、消費者ローンの利子より高い。このため、短期のローンを必要とするクレジットカード所有者は、クレジットカードの代わりに消費者ローンによって必要な資金を賄えば有益だろう」。
■資産価値は下落するかもしれない
ドゥルムシュ・ユルマズ総裁は、“価格バブル”についても警告した。ユルマズ氏は、経済が拡大する時期には物価の急上昇がもたらされる可能性があり、購入された家の価値に予想される突然の落ち込みは、金融部門での保証価値を引き下げる一方、世帯の資産価値の減少の下落をも生じさせる可能性があると述べた。
またユルマズは、外貨収入はないが外貨ローンは利用している企業の外貨準備不足を深刻なリスク要因と見なしていることを明らかにし、企業が為替レートのリスクから身を守るテクニックをイズミル・デリバティブ(金融派生商品)市場の利用も考慮に入れながら有効に活用すべきとアドバイスした。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:2722 )