2006年6月14日付シャルグ紙1面
【スポーツ部:パジュマーン・ラーフバル】ついにこんなことにまでなってしまった。〔ワールドカップでの〕ナショナル・チームの敗北に関し、大統領が国会議員らから勧告を受けたのである。
バーボル選出のホセイン・アリー・ガーセムザーデ議員、及びラーヒージャーン選出のイーラジ・ナディーミー議員はこの勧告の中で、イラン・サッカーの意思決定機関に対して、現場任せにするような無関心な態度はやめるよう注意を促す旨の大統領令を発出することを、大統領に求めた。
核問題解決のためにイランに提示されたヨーロッパ包括提案をめぐる動きが、外交関係者の間で重要なニュースとして流れる中、国会はイラン・サッカー協会及び2006年ドイツ・ワールドカップ・ナショナル・チーム選抜選手に宛てたメッセージの中で、ワールドカップでのナショナル・チームの対戦に関する、専門家や一般国民、メディアの側からの一部の懸念について伝える予定である、とのニュースが昨日報じられた。
国会の《スポーツ》会派の議員及び文化委員会の委員ら全員の出席のもと開かれた、昨日の国会文化委員会で、メキシコとの対戦でのイラン・ナショナル・チームの敗北について検討がなされた。その中で、ワールドカップ対策本部国会オブザーバーを務めるセイエド・ジャラール・ヤフヤーザーデ議員の提案が了承され、イラン・サッカー協会に対しメッセージを発出し、専門家や一般国民、メディアから出されている懸念や、これまでの国会意見を伝えることになった。
面白いのは、かつてのナショナル・チームのレスリング代表だったアミール・レザー・ハーデム議員がイラン・サッカー協会への国会メッセージの伝達役に抜擢されたことだ。同議員は、1994年広島アジア大会に派遣されたイラン選手団の一員として、アリー・ダーイー〔日本では通称「ダエイ」〕と一緒であった。
ダーイーは当時、若手フォワードとして、イラン・サッカー界の大いなるホープであった。彼がバーレーンとの試合で相手キーパーの粗っぽい動きによって負傷したことで、イランのサッカー・ファンの希望は打ち砕かれた。当時イランのサッカー・ファンは、スタンコ・プカレポヴィッチ監督のもとにあったイラン・ナショナル・チームがアジア大会の予選ラウンドで早々に敗退したのは、ただただダーイーが負傷したことが原因だったと考えていた。ファルシャード・ペイヴァスやキャリーム・バーゲリーといったスター選手がチームの中軸であったにもかかわらず、である。
それから地球が太陽の周りを12回まわった今日、状況は驚くほど変わった。ホラーサーン出身のアミール・ハーデムがテヘラン第1位選出の国会議員になろうとは、当時まったく信じがたいことであった。そればかりではない。アリー・ダーイー負傷のニュースを、イラン人が歓喜をもって迎えるような事態を、誰が想像できたであろうか。彼の100以上ものゴール(それも国際試合だけで)に酔いしれた、あのイラン人が、である。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2724 )