イランへの西側提案は前向きである:モッタキー外相 シャルグ紙
2006年06月15日付 Sharq 紙

2006年6月15日付シャルグ紙2面

【政治部】アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記の欧州訪問がキャンセルとなった。EUの外交責任者であるハヴィエル・ソラナ上級代表によると、ラーリージャーニー書記の体調不良がキャンセルの理由であるとのことである。当初、ラーリージャーニー書記は欧州との対話を継続し、5+1〔国連安保理常任理事国+ドイツ〕の提案につき検討するため、エジプト及びアルジェリア訪問を終えた後、ヨーロッパに出立する予定であった。

 このような状況において、ラーリージャーニー書記の仕事はマヌーチェフル・モッタキー外相に委ねられたようだ。ラーリージャーニー書記に代わり、スペインへと向かったモッタキー外相は昨日、数時間の会談を行うためスペインの首都マドリード入りした。同外相は空港で記者団に対し、「今回の訪問では、核問題、国連安保理常任理事国5カ国及びドイツによるイランへの提案、地域情勢、特にイラク、パレスチナ、及びアフガニスタン情勢について、スペイン当局者と意見交換するつもりである」旨述べた。

 アフマディーネジャード政権の閣僚としては初めのスペイン訪問となる、今回のモッタキー外相の外遊は重要な要素を含んでいる。同外相は、イランへの西側の提案を、核問題の前進にとって前向きな一歩であると評価した。同外相はまた、「われわれはこの提案を真剣に見直し検討するつもりである」旨述べた上で、次のように語った。「イランはインセンティヴを検討した後、自らの見解を伝えるべく、独英仏三カ国と協議し、そうした上でこの問題にどう対処すべきかを、ともに決めることになるだろう。この問題が最終的に解決されるまで、このようなやり方を継続していきたい」。

 IAEA理事会の会合3日目がウィーンで開かれる日に、マドリードを訪問したモッタキー外相はまた、「真剣な政治的意志や善意があるならば、イラン核問題の解決のための包括的な合意も可能だ」と強調した。モッタキー外相によると、「この包括的合意は、一方の側(イラン)の権利の実現と、もう一方の側(西洋諸国)の懸念の払拭を含むものとなるだろう」とのことである。

 IRNAの報道によると、モッタキー外相は、スペインのミゲル・アンヘル・モラティノス外相とは以前にも、昨年のメフル月〔9月から10月〕にニューヨークで開かれた国連総会の傍らで個別に会談しており、またそれ以外にもさまざまな機会に電話で話し合いをしてきたと述べた上で、「スペインは中東地域で肯定的に位置付けられている」とも語った。

 火曜日のバグダードでのジョージ・ブッシュ米大統領の発言、及びイラク危機の解決に関するイラン政府の見解について質問を受けたモッタキー外相は、次のように述べた。「イラクに関するわれわれの立場は、極めて明瞭だ。われわれはイラクの政治的移行過程が完了し、同国に新政府が樹立されたことを歓迎している。しかしながらわれわれは、同国がいまだ二つの主要な問題に直面していると考えている」。外相は第1の問題として、「安定の欠如」、「安全の欠如」、「テロ・グループの跋扈」を挙げ、さらに第2の問題として「外国軍のプレゼンスの継続」を指摘した。しかし同時に「われわれは、これら二つの問題がイラクにおいて同時並行的に解決されるべきだと考えている」と言及した。

 同外相はその上で、次のように述べた。「われわれはイラク国民の統一、領土の一体性の保全、あらゆる人種・民族・宗教グループの全面的な国の運営への参加、彼らのイラク政府・国家への協力を支持する。われわれのこの立場は、完全に明瞭である」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2740 )