「神不在の場所」の文字は捏造 発見者4名を文化省が取調べ(Radikal紙)
2006年06月20日付 Radikal 紙

ボドルム城塞水中考古学博物館にある地下牢の入り口に書かれている、前館長オウズ・アルポゼン氏によって500年前から存在すると主張された「神が不在の場所」という文言が、中世に書かれたオリジナルのものではないということが明らかになった。
文化省は専門家ベフチェット・ディンチェル、地下牢で文言を見たと主張している当時の副館長アイクト・オゼル、スタッフリーダーのアリ・ウチャレル、考古学者メフメト・オズゲンチについて訴訟手続きを始めさせる予定であることを明らかにした。
博物館職員ディンチェルが、1992年に発見され、1994年に当時の文化大臣フィクリ・サーラルによって一般公開された地下牢の入り口にあるラテン語の「Inde Deus Abest」(神が不在の場所)という文言を13年前に自分が書いたと主張したため、文化省が博物館へ3人の専門家による調査団を送った。

■「13年前に書かれた」とは報告されなかった
文化財・博物館総局支局長ズュルキュフ・ユルマズ、ラテン語の専門家ハイダル・ドンメズとイスタンブル大学教員碑文専門家のハムディ・サヤル教授は、2日間に及ぶ調査の後、報告書をまとめ文化省へ提出した。調査団は、地下牢が公開された日以降見つかった品々と行われてきた作業、及び初期の写真が載った地下牢記録を調べた。記録には、問題の中心となった文言に関する議事録、写真あるいは文書は見つからなかった。調査団が作成した報告書では、文言が中世に書かれなかったと確定されたことに注目が集まった。文字の書き方と配置は中世の石碑に見られる独特の特徴と比較された。さらに文言が表す「精神性」と場所が「調和しない」ことが明らかにされた。調査団の報告書において「文字は13年前に書かれたようだ」という表現はなかった。前博物館長オウズ・アルポゼン氏は文言が13年間存在したという主張に対して答えた際「私の知る以外に文言が書かれたというのは信じられない。歴史が真実を語る」と述べた。

■文言はどのように調査されたのか?
時代考証のために、文言の上に軽く湿らせたインク吸い取り紙が置かれる。ブラシで表面をはたきながら紙がくぼみに入るようにする。紙が乾いてから文言が紙に写し取られた形を調べる。使用された二つ目の方法は、まず文言の表面に軟せっけんを溶かしたものを流す。その上にゴムから産出されるラテックスを、ブラシで2,3ミリメートルの厚さになるまでかけ続ける。冷めたらプラスティック状になったラテックスをはがして調べる。



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( 翻訳者:小野寺香織 )
( 記事ID:2772 )