パレスチナの子どもたち、命がけの砲弾集め(アル・アハラーム紙)
2006年06月18日付 Al-Ahram 紙
■ 死を掘り当てるパレスチナの子どもたち
2006年06月18日付アル・アハラーム紙(エジプト)特派員報告
【ヘバ・ハサン記者】
日々、何十人もの市民が殺されてもなお、パレスチナ人たちはイスラエル軍から占領地を取り戻し、エルサレムをパレスチナ国家の首都として認めされるために、闘争を続けている。
無垢な子どもたちが石をイスラエル兵に投げつける光景は、テレビで、あるいは現場で、我々にとって見慣れたものとなっていたが、最近になって新たな事態が起きている。学校に通うこれらの子どもたちが、イスラエル軍が発砲を停止した後に残される不発弾を集めることで、その命を死に晒しているというのだ。
成長過程にあるこの子らは、他の子どもたちのように遊んだり楽しんだりして人生を過ごすかわりに、イスラエルの砲弾を探してガザ市周辺の土地を掘り返して時を過ごしている。彼らは父親を助け、あるいは父親亡きあと家族を養うために、この作業を自ら選んだ。
かつてパレスチナの子どもたちは授業のあとや夏休みに、畑でイチゴの実を摘むなどして働き、いくばくかの金を得ていたものだ。それが国中が破壊された今となっては、畑も荒廃し、この新しいやり方に頼るほかには彼らに別の選択肢は残されていない。
この思いつきが生まれたのは、あらゆる方面や支援国からパレスチナ人に届けられていた支援金や援助をイスラエル政府が禁じてからのことだ。これ以外のやり方を見つけられなくなった子どもたちは、畑や地面の砂を掘り、不発弾や空になった砲弾を探しては、パレスチナ軍や戦争廃棄物を扱う商人、あるいは家庭で使用したり一種の装飾品として飾ったりする親戚や近所の人たちにそれを売るのである。すでに火薬が空になっている砲弾は20シェケル、火薬が詰まっている砲弾は40シェケルの値がつく。
金属製の砲弾は時として子どもたちの身長よりも長く、45キロから50キロの重さがある。それを彼らは掘り出してパレスチナ軍事警察の詰め所や買い手の家々まで運ぶのだ。
10歳のダーウード・ターヒリー少年は言う。「授業が終わると銃撃戦があった場所に行って、砲弾を探して土を掘るんだ。死ぬことだってあるよ。友達の子たちもたくさんそういう目にあった。でも、金を稼いで生きるには、これしか方法が無いんだ!」
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( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラブメディア翻訳) )
( 記事ID:2778 )