2006年6月22日付ハムシャフリー紙社会面
【社会部】人々の寛大さが、物乞いを最も儲かる職業の一つにしている。
ポケットをお金で一杯にした多くの乞食が逮捕されたことが、特に大都市の乞食は裕福な人間だということを信じさせるにたる良い証拠となっている。大都市での物乞いの数が急速に増加したことで、道端で乞食を見かけることが当たり前のことになった。彼らの収入の高さから、テヘラン州社会事務所の総局長は2万トマーン〔約2500円〕のトラベラーズチェックが彼らにとっては小銭同然となっているとして、次のように述べた。「乞食は社会において最も裕福な社会階層の一つである」。
ISNAの報道によれば、エブラーヒーム・レズヴァーニー=ファル氏は次のように述べた。「〔逮捕された〕乞食たちからは、小銭として、2万、さらには20万トマーンのトラベラーズチェックが押収され、また金や宝石、医師の処方箋など、多くのものが彼らのポケットから見つかっている」。
同氏は、〔逮捕された〕乞食たちの月の収入が150万トマーン〔約19万円〕であったと発表し、次のように述べた。「物乞い中のある乞食のポケットからは、280万トマーン〔約36万円〕のトラベラーズチェックが発見された」。同氏は市民に対して、感傷や憐憫の情からこのようなプロの乞食に対して憐れみをかけぬよう、そして援助はきちんとした合法的なルートを通して、本当に支援を必要としている人々に行うよう、呼びかけた。
他方、1500万トマーン〔約192万円〕をサーデラート(輸出)銀行やテジャーラト(商業)銀行、メッリー(国民)銀行の各銀行に預金し、また150万枚の国債を所有していたある乞食は、裁判所の判決で社会福祉施設に預けられた。5人の子どもの親でありテヘランの北東部に瀟洒なアパートを所有するこの80歳の乞食を、裁判官は親として適正を欠くとして福祉施設に預ける決定を下した。しかし社会福祉施設の方も、この親として不適格な百万長者を引き受ける適切な場所も設備も無かったため、これを断る結果となった。
テヘラン市社会問題総局長のセイイェド・ナジュモッディーン・モハンマディー氏は、これについて次のように述べた。「収容された物乞いのうち20%は、イマーム・ホメイニー援助委員会の保護を受けている」。ISNAの報道によれば、同氏は次のように述べた。「乞食に関して出された、全454件の裁判所の判決のうち、265件の判決は実行されたが、189件の判決は未だ実行されていない」。
なお、現在のところ物乞いらを住まわせる場所の問題が、緊急乞食収容計画の最大の問題とされている。
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( 翻訳者:村上遥 )
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