建築家スィナンのセリミイェ・モスクを観光客に案内(Hurriyet紙)
2006年06月26日付 Hurriyet 紙

エディルネを訪れる人々は、建築家スィナンが「熟練期の作品」と自ら位置づけた有名なセリミイェ・モスクについて、解説員のナーディ・エルソイさんから説明を受けるまで町を離れることはない。
エルソイさんは2001年に定年退職した後、エディルネ県のムフティー局(注1)の要請で「解説員」として働き始めた。セリミイェ・モスクの歴史構成や優れた特徴を詳細にわたり楽しんで訪問者に説明しているという。この仕事をとても気に入っており、健康状態が許す限りセリミイェ・モスクの紹介を続けるつもりと語った。

清潔で整った服装と正しい言葉遣いで人目を引くエルソイさんは次のように話した。「定年退職したといって一線を退くようなことは、どなたもされないでください。生涯とおしてクリエイティブであってください。」

■イマーム(導師)とムエッズィン(礼拝呼びかけ人)だった

エルソイさんはセリミイェ・モスクで14年間ムエッズィンを、21年間イマーム(注2)を務めた。現在66歳のエルソイさんが読誦するアザーン(礼拝の呼びかけ)は、モスクの音響効果と相まって、耳に素晴らしい響きを残す。

■靴紐にまでアイロンをかける

ナーディ・エルソイさんは、白い服装、ドライヤーでセットされた髪のほかに、靴紐を毎日洗濯しアイロンをかけて丁寧に結ぶ。エルソイさんはトルコ国旗をつけた自転車で14年間仕事に行き来し、1日に16キロの道を走っている。


注1 ムフティー…イスラム法学者のうち、イスラム法学上の見解・解釈等をファトワーといわれる勧告として発することが出来る法学者。
注2 イマーム(導師)…集団礼拝の際に礼拝者を先導する役目の人物。


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( 翻訳者:及川治香 )
( 記事ID:2822 )