バグダードで自動車爆弾による自爆攻撃10件発生(アル・ナハール紙)
2006年06月18日付 Al-Nahar 紙

■ バグダードで自動車爆弾続出の一日
■ ブッシュ、イラク情勢は深刻であると認める

2006年06月18日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 イラクの首都バグダードおよびその郊外で昨日、自爆攻撃者が運転する爆弾を仕掛けた車が10台以上爆発し、さらに市場や居住地区および交番を狙った爆弾による攻撃が3件あった。また通りや家屋が砲撃を受け、少なくとも50人が死亡、けが人は100人以上にのぼった。

 バグダードのシーア派モスクへの自爆攻撃の翌日に起こったこれらの攻撃は、イラクのヌーリー・アル=マーリキー首相が4日前に策定した、イラク警察とアメリカ軍兵士5万人以上をバグダード市内に展開させるという新しい治安計画を挫折させた。

 ウサーマ・ビン・ラーディン率いる「アル=カーイダ」の支部である「アフガニスタン聖戦カーイダ機構」はインターネット上に発表した声明の中で、「メソポタミア聖戦カーイダ機構」の指導者であるアブー・ムスアブ・アル=ザルカーウィーが先週、アメリカの空爆によりバアクーバ付近で殺害されたことへの「復讐」を行うと警告した。

 またアメリカのジョージ・ブッシュ大統領は昨日あらためて「イラクで継続中の課題は深刻なものであり、我が国のさらなる犠牲と忍耐とを必要とするであろう」と語った。

 ブッシュ大統領は、多国籍軍に属するグループをイラク警察やイラク軍の内部に配属させる状況は今後も続くと述べ、アメリカ合州国はイラクの新しい国防相および内相が統制支配の能力を改善し、汚職を撲滅し、人権侵害について調査を行い関与者に処罰を下すためにサポートをすると語った。そしてアメリカ政府はマーリキー政権が民兵組織を抑え司法秩序を確立するためのサポートを行うと約束した。また他の国々に対しては、イラク新政府援助のために130億ドルを拠出するという誓約を実行するよう促し、合州国は今や、イラクを見放すことが困難なところまで来ていると強調した。

 イラク戦争が原因でブッシュ大統領の人気は任期中最低レベルにまで低下しており、今年11月の議会選挙をひかえて国内の政治的圧力に直面しているにもかかわらず、ブッシュ大統領は近いうちにイラクからのアメリカ軍撤退が行われる可能性については全く言及しなかった。

 アメリカのCNNテレビ局が行った世論調査によると、アメリカ国民の47%は彼らの国の軍隊を1年以内にイラクから撤退すべく日程を提示することを望んでいる。

 それにもかかわらず、アメリカ大統領の政策への支持率は39%に達しており、5月の数値より5%増加している。



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( 翻訳者:並木麻衣 )
( 記事ID:2848 )