イスケンデルン湾、ロッテルダム港のような発展期待(Milliyet紙)
2006年06月05日付 Milliyet 紙
バクー-ティフリス(トビリシ)-ジェイハン(BTC)ラインを通って到達した最初の石油がイタリアに向けて出発した。年間の石油積み出し量が2億トンに達することが見込まれるイスケンデルン湾について、オランダのロッテルダム港になぞらえる声が早くも挙がっている。
世紀のプロジェクトに位置づけられたバクー-ティフリス(トビリシ)-ジェイハン石油パイプラインが、イスケンデルン湾にオランダの有名なロッテルダム港と同様の繁栄をもたらすであろうという声が挙がっている。
パイプラインを通じた原油の輸送、販売を手掛けるボタシュ社のBTCプロジェクト副責任者、ギョクメン・チョロール氏は、サムスン-ジェイハンラインも早晩稼働させる予定であることを明らかにし、「イスケンデルン湾からの原油積み出し量は年間2億トンに達する見込みだ。BTCと合わせて3つのパイプラインのターミナル(終端)がここにある。ターミナルが集まっていることが、イスケンデルン地方をロッテルダムのような大きな市場に変えるだろう」と話した。
■石油取引市場開設もあり得る
イスケンデルン地方での石油取引市場の開設もあり得ると語るチョロール氏は、「東・北カスピ海の原油を地中海に積み出すため、他のパイプラインがジェイハンに下ってくる可能性もある。カスピ海の原油の埋蔵量は2億バレル前後だ。ジェイハンとイスケンデルン湾は非常に大規模な石油関連の活動に備えなければならない」と話した。チョロールはBTC石油パイプラインがトルコとカスピ海との間の緊密な協力関係を構築させると述べ、プロジェクトが21世紀の政治のあり方を明らかにするものとなるだろうと話した。
イラク-トルコのパイプラインも運用が開始される必要があるというチョロールは、このラインを通る原油の生産も、販売先についても準備が整っていることを明らかにした。
■最初の石油がイタリアに向かった
アゼルバイジャンの石油を世界市場に結びつけたBTC石油パイプラインを通って送られた最初の石油が、5月28日にジェイハン基地に到着したのち、最初の荷積みが昨日BTCの最大の株主(権利者)であるBPの所有する「The British Hawthorne」号に行われた。チョロール氏は8万5千トンの石油を載せた船がイタリアに向けて出航したと述べた。
全長1768キロのBTC石油パイプラインで運ばれる石油の量は1日当たり100万バレルまで引き上げられるだろうと話すチョロールは、「最大容量で石油を運んだ場合、プロジェクトからトルコに入る収入は2億5千から3億ドル前後になる。船による石油輸送からの副収入もある」と述べた。
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( 翻訳者:山本裕一 )
( 記事ID:2624 )