ギュル外相の親切が裏目に -イスラエル外相一行は空腹に耐えられず(Milliyet紙)
2006年06月05日付 Milliyet 紙

5月29日、イスラエルのリブニ外相がアンカラを訪問した際、昼食会を主催したトルコのアヴドゥッラフ・ギュル外相が肉を使わない献立を準備したことが注目された。外務省関係筋は、リブニ外相と随行団にふるまわれたパプリカ・スープ、オリーブ油をつかった冷菜、野菜クレープ、サラダ、トルコ菓子の献立がイスラエル側の希望に応えて準備されたと言っていた。


■サンドウィッチにとびついた

ギュル外相は、イスラエル側が希望してきた献立の内容から、リブニ外相が旧約聖書にある「肉と乳製品を混ぜてはいけない」とするカーシェールに忠実であると判断し、特別な料理を準備させた。ハイリュニサ・ギュル夫人が目配りをして準備された献立の料理には、イスラエルの一行が安心して食べられるよう肉が一切使われなかった。
ギュル外相との昼食会につづき大統領、首相と会談したリブニ外相は夕食までのこらず、帰国の途につくためエセンボア空港へ移動した。空港のVIPラウンジに入った人たちは、リブニ外相と随行団がサンドウィッチを貪るように食べていた姿を目にし大変驚いた。リブニ外相は乳製品であるチーズが入ったサンドウィッチをおいしそうに食べていた。
肉入りのサンドウィッチを食べていた随行者たちはみるからに大変おなかがすいている様子だった。トルコ外相はリブニ外相と一行に対し、食事に肉と乳製品を混ぜないよう大変気を使った。しかしその昼食から6時間もたたないうちに、肉と乳製品をこんなにも夢中で食べているとはどういうことなのか。
この答えはイスラエル一行が伝えてきた食事の希望をトルコ側が誤解したことにあった。一行に随行していた関係者が本紙のウトク・チャクロゼル外交記者に伝えてきた次のような情報で、全てが明らかになった。


■敬虔なのではない、ただのベジタリアン

「リブニ外相が厳格なベジタリアンであることからイスラエル外交筋はトルコに対し、大臣らの食事を菜食にするよう要望した。しかし一行の他のメンバーには肉のはいった食事で差し支えないことをとくに伝えていた。

リブニ外相の食事制限が信仰と関連していると誤解したトルコ側は、一行全員に対して同様の危険を犯すことを恐れ、全員に同じ料理を振舞うのが適当と考えた。大臣らの菜食主義の犠牲となったイスラエル一行は、野菜だけでつくられた料理をあっという間に消化し、すぐに腹をすかせた。
空港に向かう際、大使館関係者は外相と随行団のためにVIPラウンジに食べごたえのあるサンドウィッチを用意しておくよう命じたという。ベジタリアンである外相にチーズ・サンドウィッチを、他の人々には肉入りのサンドウィッチが購入されたという。


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:堀ノ内夏子 )
( 記事ID:2626 )