海岸地域の開発権限を政府へ、コチ文化観光大臣の発言に賛否両論(Hurriyet紙)
2006年06月06日付 Hurriyet 紙
海岸地域の開発認可権限を自治体から政府に移管することに関する文化観光大臣アティラ・コチ氏の声明に対し、地方自治長らは反発を示しているが、トルコ観光投資家協会会長オクタイ・バルエル氏は、コチ大臣の支援を表明した。ボドルム市長であり共和人民党員のマズルム・アーアン氏は、「当時の政府(トゥルグト・オザル首相の時代)は、この法案を撤回させた際、『開発法の改革を行った』と述べていた。つまり、その改革から現在は逆行しようとしているのだ。」と述べた。アンタリヤ県ケメル市長の祖国党員ハサン・シェケル氏は、「(大臣の)言及している海岸法が発効すれば、すでに今海岸沿いにあるものは合法となる。干拓してホテルを建設する機会をとらえて、このような法案を議題にする。その後で(大臣は)海岸地域での開発建設を防いだと言いたいのだろう」と話した。
■実質権限はない
ケメル市長のハサン・シェケル氏は市当局に開発権限がないことを主張し、次のように語った。「我々は市議会に上る議題を説明し、討議し、そして投票にかける。議会からの報告書を文化観光省に知らせる。我々が不都合だと思った案件でも、文化観光省は不都合とは思わないかもしれない、あるいはケメル市当局に知らせることなく省自身がプランを立て、自ら承認し、我々に送りうる。我々はこのプランに反論できるがそれが少しも影響を与えない可能性がある。文化観光省はもう一度承認し我々に送ってくる、そして私たちは承認せざるを得ない状態に陥る」
■観光地域をよく観察してほしい
ケメル市長ハサン・シェケル氏は、文化観光大臣アティラ・コチ氏が観光地区の現状を観察することを提案し、次のように語った。「小売商人は痛ましい姿だ。人々は不動産税を支払えないでいる。観光業がこれほどまでに酷い状態にある今は、(権力の)割り当てや、開発を議題にするときではない。5年間高まりをみせた観光業がなぜ突然下り坂となったのか?政府はこの状況を明らかにする必要がある」
■地方自治体を閉鎖しよう
アランヤ市のマフムトラル区長で公正発展党員アラーティン・チャクル氏は、「開発権限はそもそも文化観光大臣の手にある。移管するような権限はもともとない。」と述べる一方、トスムル区長の公正発展党員ムサ・オズデミル氏は、コチ大臣は発言したとおりに考えているとは思わないと明かした。オズデミル区長は、「もし大臣の言うようになるのなら、自治体を閉鎖しようではないか。アンカラ(政府)にすべて管理してもらおう。自治体の権限を増大させる必要性を討議する代わりに権限が縮小されれば、我々は財政上の困難に陥るだろう。」と述べた。
■開発権限の移管は有益
トルコ観光投資家協会(TTYD)会長オクタイ・バルエル氏は、沿岸部や観光地区での開発権限が地方自治体から政府へ移管されることは観光面でより有益な結果をもたらすと述べた。バルエル会長は、「海岸地域ではゆがんだ開発が危険な形で広まった。その理由は、地方自治体の収入が少なく、収入を増やすためにより集中的でより高い建造物を認可したためだ。別荘の建築もそのためだ。よって観光省がこの件に着手することは有益だと考えている。」と述べた。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:2636 )