共同行動計画書の内容についてトルコからEUに5つの反論(Milliyet紙)
2006年06月09日付 Milliyet 紙

トルコ・EU共同議会のために準備された共同行動計画書の中で、キプロス、クルド人、PKKが問題となった。トルコ側はこれらに関して、文書中の5箇所を修正するよう求めた。

トルコは、ルクセンブルクにて開催予定のトルコ・EU共同議会会議のためにEUが準備した共同行動計画書について、PKKに武装放棄するよう呼びかけること、クルド人を少数民族のように表現すること、キプロス問題についてトルコ側のみに要求すること、トルコの港湾をギリシャ系(キプロス共和国)に開放することを「合意事項に基づく責務」という形で表記することに関する表現を修正するよう求めた。

EUの25加盟国の間でトルコに提示する条件について交渉が続く一方で、共同行動計画書の草案を入手したトルコ政府は不快感を抱かせる表現を修正するよう求めた。要求事項は以下の通り:

■問題とトルコ側の反論

●「クルド」という言葉:南東アナトリア問題に関連した箇所に「クルド系の」という用語が用いられていることを、トルコでの定義とは異なる形で少数民族の概念を生み出そうとする行為ととらえたトルコ政府は、「クルド」という言葉の削除を求めた。

●PKKを禁止せよ:「PKKに対して武装放棄と武力行使の中止の呼び掛けを行うこと」という表現を不十分では不十分だと考えるトルコ政府は、この一節を「PKKがテロ組織であり、禁止される必要がある」との形に修正するよう求めた。

●キプロス:キプロス問題の解決に向け、トルコ側に努力の継続を求める表現に反発したトルコ政府は、相手側にも圧力をかけることが必要だと主張した。

●ギリシャ:エーゲ海問題に向けられた、「トルコが近隣諸国とともに問題を平和裏に解決すること」という要請にも反論したトルコ政府は、「問題は一方だけのものではない」とし、ギリシャを含めた形に表現を修正するよう反論した。

●港湾:トルコの港湾をキプロス共和国を含むEU全加盟国へ開放することが、「合意事項に基づくトルコの責務である」と表現することにも反対するトルコ政府は「合意事項に基づく」責務ではないと主張した。

文書の修正が行わなければ、アブドゥッラー・ギュル外相が演説の中でこれら5つの問題について反論する予定であることが発表された。

■(ギリシャ系)キプロス共和国が次々に問題提起

7月12日の会議を前に、事実上の加盟交渉のスタートとなる「政府間会議」を議論の俎上に載せたEU常駐代表者会議(COREPER)は、大筋で合意に達した。共同行動計画書については、草案の内容にそれほど大きな修正を加えない形で合意された。科学・研究分野について加盟交渉に移行することについての議題は今日取り上げられる。共同行動計画書についてはキプロス共和国側から厳しい意見が示されたが、この根底にはトルコの港及び空港をキプロス共和国の船・飛行機に開放する必要があることを強く主張する狙いがあったことが判明した。科学・研究分野に関する議論でも、キプロス共和国が問題を提起する立場となった。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:2668 )