イラン核問題に対するイスラーム連合党の立場:バーダームチヤーン氏とのインタビュー シャルグ紙
2006年07月11日付 Sharq 紙
2006年7月11日付シャルグ紙4面
【政治部】イスラーム連合党〔*〕のアサドッラー・バーダームチヤーン代表代行は、アーフターブ通信とのインタビューの中で、核問題に対する諸々の政治勢力の立場に関し、「西側のイランに対する圧力が加わり始めると、イラン国内には2〜3の立場が生まれた」と分析し、次のように論じた。
〔*イスラーム連合党は、老舗の保守派政治団体で、いわゆる若手中心の《原理主義派》とは趣を異にしている。バーザールを支持基盤としているとされる。保守派の朝刊紙「レサーラト」は、同党の機関紙的存在〕
「第一の立場は、妥協的立場であった。改革派は毒杯をあおることを提案した。つまり、西側が言うことには何であれ従え、というわけだ。西側の脅迫は、われわれにとっていつかもっと甚大な害へと発展する可能性があるというのが、彼らの理屈だ。このような議論は、まったく論理的ではない。もし誰かが別の誰かを殺そうと思い、毒杯を差し出そうとしたときに、殺されそうになっている人物が彼に礼をして、『ありがとう、私たちに毒杯を飲ませたがっているのですね。あなた方のお手数をおかけしたくはありません。あなたが私を殺す前に、あなたの迷惑にならぬよう、私自身が自ら死を選びましょう』などと言っているようなものだからだ。
まったく非論理的であり、軟弱な精神を物語っている。このような西洋に傾倒したリベラルな考え方は、革命の歴史の中にも幾度となくその姿を現していた種類のものである。今に始まったものではない。まさにスパイの巣窟〔旧米大使館を指す〕を占拠したときにも、存在していたものである。こういった連中は、いまや別のタイプの人々と一緒にいるが、かつてイマーム〔・ホメイニー〕のもとに馳せ参じ、泣き叫んでいたものだ〔*〕。
〔*かつて米大使館を占拠した「イマームの路線に従う学生たち」の一部が、その後いわゆる「改革派」知識人に転向していったことを指す?〕
リベラル派とは別に、NPTからの脱退を主張するグループもいる。すなわち、NPTから出て、自らのやるべきことを粛々と遂行することを主張するグループである〔*〕。
〔*これは、「ケイハーン」紙の社主ホセイン・シャリーアトマダーリー氏など強硬派の意見である。シャリーアトマダーリーは2005年の大統領選挙の際、アフマディーネジャードを強く支持した〕
このことに関するイスラーム連合党の立場は、最初から明快である。党の立場は、事務局長の正式な立場として、毎週発表されており、その立場がいかなるものかは誰でも簡単にみることができる。〔イスラーム連合党の機関誌の〕「ショマー(諸君)」誌にも、この問題に関するわれわれの論説が明快に述べられている。われわれがつねに主張してきたのは、NPTから脱退してはならない、ということだ。NPTの枠内で動くべきだ。あらゆる国際機関において、われわれの存在感を強くしていく必要がある。同時に、平和的核技術という自らの当然の権利に関しては、妥協してはならない。
人類が論理的で理性的、堅固で真実の立場を保持するならば、そしてそれを正しく理性的な方法で主張するならば、必ず勝利を手にすることができると、われわれは確信してきた。それはなぜか?なぜなら、この世において不条理なことが長く続くことはないからだ。
それゆえ、妥協を主張する人々とも、NPTからの脱退を主張する人々とも、われわれは意見を異にしている。というのも、われわれの主張が正しい以上、われわれは国連や安保理、IAEA、その他世界の全ての国際機関において、自らの立場を主張すべきであると考えているからだ。
ここ三年間をみる限り、この方法が当を得ていたことは明らかだ。〔ウラン濃縮活動の〕自主的停止は、極めて理性的で正しいやり方であった。そうすることで、われわれは力づくの強要には屈しないということを、世界に対して示したのである。われわれは、信頼を醸成し善意を示すために、自主的に〔濃縮を〕停止する、そしてNPTからは脱退しないと、われわれは言ってきたのだ」。
バーダームチヤーン氏は、「一部の党派は、NPTにとどまることはわれわれに害しかもたらさないと言っているが」との質問に対して、次のように答えた。「NPTはわれわれを利するものである。なぜなら、NPT第4条は、『あらゆる国は、数十年後の人類が悲惨な時代を迎えることのないよう、人類にとって必要とされるこの〔核〕技術をみなに供するべく、支援する義務がある』旨、明確に述べているからだ」。
同氏はまた、「改革派は濃縮活動の停止を求めてきた」と述べた上で、次のように語った。「改革派の立場は、卑屈なものであった。結局問題は、国民全体にかかわる問題であったわけで、彼らの立場が国民としての立場を支配するなどということは、ありえなかったのである」。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2962 )