ムサンナー県の治安権限、イラク軍に完全移譲(アル・アハラーム紙)
2006年07月09日付 Al-Ahram 紙
■ イラク軍への治安権限完全移譲が初めてムサンナー県で行われる
■ エジプトは国民和解計画実施のためマーリキー首相に協力を表明
2006年07月09日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【バグダード:ムハンマド・アル=アンワル、ワシントン:諸通信社】
イラク軍は昨日、イラク南部ムサンナー県における治安権限の完全移譲を受けた。同じころ、米海兵隊の上級将校たちが、イラク市民を米海兵隊員が虐殺したとされる昨年のハディーサ事件の調査を怠ったことを確認する報道がアメリカで出された。
イラク駐留多国籍軍のクルト・シコウスキ参謀本部副部長は、ムサンナー県でイラク軍が治安権限の完全移譲を受けたことを公表し、これを皮切りに近い将来、イラクの他県においても同様の措置が続くだろうと述べた。
他方で米ニューヨーク・タイムズ紙は、「イラク駐留の米海兵隊将校たちは、昨年11月19日にバグダードの西にある町、ハディーサで海兵隊員の手によって24人の市民が殺された件に関する報告書を、適切な形で調査しなかった」という米国防総省高官らの発言を掲載した。
また、米のニュース局CBSも、これらの市民が道端に仕掛けられた爆弾の爆発によって死亡したとした最初の報告書が正しくないことを示す証拠が十分にあるにもかかわらず、海兵隊指導部はこれらの報告書を疑問視しなかったと報じた。同局によれば、報告書が正しくないことを示すシグナルは多数存在していたという。
同局は、海兵隊の将校たちが犠牲者の家族に対し38,000ドルを支払ったことが、その最初の報告書が正しくないことを示す明白な証拠だ、と報じた。
治安情勢についていえば、米兵3人が昨日、アンバール県での軍事作戦中に亡くなっている。
一方、エジプトのアフマド・アブルゲイト外相は、イラク近隣諸国会議に出席するためテヘランへ向かう直前に、エジプトはイラクの安定化とイラクの問題への他国の介入阻止のために尽力すると述べ、またヌーリー・アル=マーリキー首相率いるイラク政府が国民和解計画を実施できるよう支援する必要を明言した。
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( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラブメディア翻訳) )
( 記事ID:2964 )