■ダマスカスのハマース指導者への攻撃を警告した後、イスラエルの戦闘機がシリア大統領宮殿上空を旋回
■ガザ地区への大規模侵攻で、イスラエルは主要発電所を破壊、空港を占拠
■アル＝アクサー殉教者軍団が三人目のイスラエル人を誘拐し、イスラエルの在外大使館を標的にすると脅迫
■アッバース大統領とムバーラク大統領とが連絡協議
■オルメルト首相は攻撃を強めると脅迫、ホワイトハウスはそれを正当化

2006年06月29日付アル・アハラーム紙HP1面

【ガザ：アシュラフ・アブルホウル、占領下エルサレム：諸通信社】

対シリア局面が深刻さを増す中、シリア北部の都市、ラタキア近くにあるシリアのバッシャール・アル＝アサド大統領宮殿の上空を、イスラエルの戦闘機が旋回した。大統領は当時邸宅の中に滞在していた。
イスラエルのスポークスマンは「戦闘機は昨日朝、数回にわたって音速域に突入した」と発表した。その理由は、イスラエル側の言によれば、シリア指導部がテロリストのリーダーたちを匿い、援助しているからであるという。この声明はハマースの政治部門のトップでありダマスカスに滞在しているハーリド・マシュアルのことをほのめかしている。イスラエル側は彼がイスラエル兵の誘拐に責任があるとみなし、彼を暗殺すると脅迫していた。
　
シリア側は防空部隊がイスラエルの戦闘機を攻撃し、逃走させたと発表した。

イスラエルのアビ・デジクター国内治安相は、イスラエルがシリア国内に滞在しているハマースのリーダーに対する軍事攻撃に踏み切ると、外交チャンネルを通じてシリア政権に警告していたと発表した。

また昨日占領軍はガザ地区に対し、「夏の雨作戦」と名づけた広範囲にわたる攻撃を行った。この軍事作戦によってガザ唯一の発電所や交通網、橋などが壊され、北部と南部が隔絶された。

最近誘拐されたイスラエル兵士の解放という口実のもと、昨年イスラエルがガザから撤退して以来最大とみなされる新たな侵攻が始まった。パレスチナ大統領府とエジプトのムバーラク大統領、アラブ首脳、国連・EU・米・ロシアの中東和平カルテットとの間でイスラエルの敵対行為を停止させるために交わされた集中的で継続的な連絡協議にもかかわらず、イスラエルのエフード・オルメルト首相は誘拐された兵士のジルアード・シャリットが解放されるまで空襲を続け、その上更に強硬な手段をとると警告している。
（中略）

ワシントンではホワイトハウスがイスラエルには自衛の権利があると公言し、ホワイトハウスの報道官はエジプト、パレスチナ大統領、そしてハマースに対しイスラエル兵士を直ちに解放する手助けをするよう呼びかけた。
（後略）


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（ 翻訳者:並木麻衣 ）
（ 記事ID:2967 )