国会外交政策委員長、ジダンに書簡 シャルグ紙
2006年07月12日付 Sharq 紙

2006年7月12日付シャルグ紙5面

 国会の国家安全保障外交政策委員長であるボルージェルド選出のアラーオッディーン・ボルージェルディー議員は、ワールドカップの決勝戦でピッチから退場したサッカーフランス代表キャプテン、ザイヌッディーン・ズィーダーン(ジネディーヌ・ジダン)に書簡を宛て、彼に感謝の意を表した。

 ボルージェルディー氏の手紙では、以下のように述べられている。

 フランス代表キャプテン、ズィーダーン殿

 ワールドカップ決勝戦において、ライバルチームのメンバーの一人からの許しがたい侮辱と不当なる中傷に対して、自らの人間としての、そしてイスラームの名誉を時宜を得た形で守ったことに、深甚なる敬意と感謝の意を貴殿に心より表します。

 あなたが示した反応は至極もっともであり、次の観点から大変注目に値するものと考えます。

 まず第一に、ムスリムは決してテロリストではなく、ムスリムが自らの基本的なスローガンとしているものとは「サラーム(「こんにちは」という挨拶)」であり、それが意味するのは「平和」であるということです。これは、何億ものムスリムが日々口にしていることばであります。

 第二に、ワールドカップとは、諸国家・諸国民の間に共感と連帯感を醸成させるための舞台であって、決して誤ったスローガンや不当なる非難によって汚されてはならないものだ、ということです。

 最後に、ワールドカップの最優秀プレイヤーとして、あなたが選ばれたことに関し、あなたとサッカーフランス代表に対してお祝いの言葉を申し上げます。

 あなたの健康と成功を願って

 国家安全保障外交政策委員長より

〔注:先日行われたワールドカップ決勝戦において、ジダン選手がイタリアのマテラッツィ選手に頭突きをして一発退場処分になった問題で、マテラッツィ選手がジダン選手を「テロリスト」と呼んだのではないかと一部報道されている。上記ボルージェルディー議員のジダン宛書簡は、このことを踏まえて、ジダン選手の行為を「イスラームの名誉を守る」行為として称讃するものである〕。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:藤川淳 )
( 記事ID:2976 )