対PKK作戦に関する米大使発言にエルドアン首相猛反発(Milliyet紙)
2006年07月19日付 Milliyet 紙
アメリカの駐トルコ大使ロス・ウィルソンの「トルコは、一方的な越境攻撃をすべきではない」という発言に反感を示した首相レジェプ・タイイプ・エルドアンは、「このような事項の決定を大使が下すことはできない。この決定は、トルコ共和国政府の担当各機関が下すものだ」と述べた。
海外経済関係委員会(DEİK)の総会(於・ジェイランホテル)に参加したエルドアン首相は、質問に対して、ウィルソンの発言を新聞で読んだと述べ、「詳細は知りえないが、もし本当なら、非常に間違った発言だ。私達の決定は私たちが下して私たちが実行する。関係している国があれば、この関係各国とともに決断を下すことを望んでいる」と話した。
エルドアンは、この問題についてアメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュと話し合ったのかという質問に対し、「話し合いを行ったし、現在もしている」と述べた。
■「傍観者にとどまるまい」
エルドアンは次のように続けた。「私たちの治安部隊は、活動を続けている。国の平安を脅かす問題に対して、立ち上がっておいて傍観者にとどまることなど我々にはできない。私たちが行うべきことは、これを最小の犠牲で解決して、平安をもたらすことである。」
会議での演説でイスラエルを批判したエルドアンは、「私達のまさに目と鼻の先にある国で、市民や無防備な子どもや女性、老人達が、通りや家で爆撃にさらされて亡くなっている一方で、平和と公正について話すことは難しくなっている」と述べた。エルドアンは、次のように話した。「個人としても、社会としても、政府としても、地域で増大している危険に無関心でいることはできない。他の場所のテロとトルコ国内のテロを異なる目で見ることはできない。Aの国が行動したときと、Bの国が行動したときで別のアプローチをしろなどという考え方は容認できない。だからこそ、あらゆる事態を多方面から分析し、想定できる進展に備えているのだ。ある組織の行動をある一国のせいにはできない。これは人道的なアプローチではない。」
エルドアンは、「トルコにおいて、テロは決してエスニックな要素を代表するものではない。テロは、エスニックな要素を悪用して私腹を肥やしている。今日イスタンブルはもちろん、ヴァンとハッキャーリにおいてもそうであるに違いない。もう一つの問題は、宗教的な民族主義である。これにも私達は反対している」と述べた。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:3029 )