NATOに関する首相発言へ元大使らが反発(Milliyet紙)
2006年07月27日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の「NATOがとまれアフガニスタンでテロに対する共同戦線に参加したなら、北イラクでも同じ任務を遂行できよう」という要請は現実味がなかった。北イラクがアメリカの統制下にあることを指摘した、元大使でありハタイ選出のCHP(共和人民党)所属の議員であるイナル・バトゥは、首相は外交上の発言をもっと慎重におこなうべきだと述べた。この件に関する諸議員の評価は以下の通り。

イナル・バトゥ:アフガニスタンではテロ活動を現実化させた時代遅れの体制があった。イラクの事情はこれとは別だ。アフガニスタン戦争でNATOは決断し、アメリカを支持した。北イラクは実質、アメリカの統制下にある地域である。NATOは最大の成員(アメリカ)が統治する地域で活動をおこなうだろうか。(首相の発言は)実情にそぐわない状況判断だ。北イラクには実際にNATOの兵士がいるのだ。何かしようとすれば、アメリカが実際におこなうし、なんら(NATO派遣の)理由はない。

■我々に利さない
ニュズヘト・カンデミル(元大使でDYP(正道党)副党首):イラク、アフガニスタンあるいは中東へのNATO派遣は実際アメリカが欲していることである。我々の対話者はアメリカと間接的にはイラクの現政権である。我々はなすべきことを適宜自国内でおこない、国外からふりかかる危険にそうしたのち取り組まねばならない。このこと(北イラクの問題)を、第三国やNATOのような国際組織に委ねるのは、単なる責任回避の現れである。
NATOの全面的関与はトルコの利とはならないかもしれない。NATOは、結局のところ、ある立場を持った組織である。この地域一帯では中立の組織が役割を果たさなければならない。

アリ・トプズ(議会内CHP会派代表):NATOにこのような任務があったとは知らなかった。イラクは、テロを、力のなさ故に防げないし、防いでもいない。では、我々は傍観者にとどまるのか?アメリカが「イエス」といわないので北イラクには行かない、とでも。そんなことありえない。



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( 翻訳者:松本沙知 )
( 記事ID:3108 )