レバノン内相、即時停戦への働きかけと海路の開放を緊急要請
2006年07月20日付 Al-Ahram 紙
■レバノンへのイスラエルの空爆が激化
■地上でも激しい戦闘
■70発以上のミサイルがイスラエル北部に向け発射
■レバノン側の死者55名、避難民数千人、イスラエル兵の死傷者は20名
■オルメルト:攻撃継続、交渉はなし
■ブッシュ:ヒズボラが問題の原因
2006年07月20日『アル・アハラーム』
【ベイルート、被占領地エルサレム:ファトヒー・マフムード、諸通信社】
攻撃開始から8日目、イスラエルの戦闘機はレバノン内の攻撃目標への空からの攻撃を増し、レバノン側の死者は55名、重傷数十名、家屋の損壊20棟以上という被害を引き起こした。
また、イスラエル・レバノン国境付近ではイスラエル軍とヒズブッラー戦闘員との地上衝突が起こり、イスラエル兵の死者6名、負傷者14名が出た。レバノン側の抵抗組織はイスラエル・レバノン国境から50キロ離れたイスラエルのラマット・デービッド空軍基地を砲撃、時を同じくしてイスラエル戦闘機はベイルート東部、アシュラフィーヤ地区の水道施設に3発、ベイルート国際空港の滑走路に2発のミサイルを発射した。
イスラエルの病院筋は昨日、イスラエル北部に昨日一日だけで70発のミサイルが撃ち込まれたことを明らかにした。
レバノン筋によると、イスラエルの戦闘機がレバノン南部の町サリーファを二時間にわたって空爆し、レバノン市民21人を殺害、数十人の負傷者を出し、15の家屋を損壊させ、他の家屋では火災を引き起こした。同様にベイルート南東のナバティーヤ中心部では、イスラエルの攻撃で女性とその3人の幼い子を含む6人が死亡、サルアでは夫婦とその子供2人、親戚の女性1人の計5人が、彼らの家を狙った攻撃で死亡した。レバノン東部では4階建ての建物がイスラエルの空爆を受け、一家族から11名の死者が出た。同様にイスラエル戦闘機はバアルベクの幾つかの村を爆撃し、犠牲者多数が出た。またイスラエルの陸上部隊が昨日、軍事作戦の実行のためレバノン南部へ侵攻した。そのころレバノンのヒズブッラーは、彼らの戦闘員がイスラエルの侵攻の試みを4度くい止め、撤退させたと発表していた。イスラエル筋はヒズブッラーがハイファに向けて8発のミサイルを発射したが被害は出なかったと伝えた。
イスラエル側の予測に反し、ヒズブッラーの政治評議会メンバーであるマフムード・カンマーティーは、ヒズブッラーの武器庫には数ヶ月間イスラエルを砲撃し続けるのに十分なミサイルがある、と明言した。
時を同じくして、イスラエルのオルメルト首相が招集した縮小閣議は、レバノンとガザ地区での軍事作戦継続を決定した。閣議でオルメルト首相は「捕虜の交換をめぐる交渉はありえない」と述べ、国際社会はイスラエルへ圧力をかけないし、アメリカは絶対的にイスラエルを支えると指摘した。
今日、ニューヨークではレバノン危機に関するアナン事務総長の報告を聞くため、安保理会合が開かれる。
本紙特派員とのインタビューの中でレバノン内務大臣のアフマド・ファトファトは、レバノンが大惨事に直面していること、イスラエルの継続的な空爆の結果として避難民の数が、一説では75万人以上とも言われているほど、恐ろしい勢いで増していることを語った。大臣はアラブ社会と国際社会に向けて、即時停戦のために働きかけ、レバノンへの緊急人道援助輸送のため、国際的保護のもと海路を開くよう呼びかけた。
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( 翻訳者:原田史歩 )
( 記事ID:3111 )