イスラエルのレバノン攻撃2週目に セニョーラ首相が国際社会へ訴え(アル・ナハール紙)
2006年07月20日付 Al-Nahar 紙
■ セニョーラ首相が世界に向け呼びかけ「祖国の瓦礫の上に存立しうる政府などない」
■ 攻撃開始後8日目の犠牲者64人以上 地上戦も発生
■ 停戦めぐりアメリカ・フランス対立の兆候
2006年07月20日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
イスラエルは昨日、対レバノン戦争の開始から2週目を迎え、時間無制限の戦争を行うとの脅迫を実行した。民間人を標的とする野蛮な攻撃によって、戦争の8日目は人的被害の点で最も深刻な一日になった。攻撃の結果、64人以上の犠牲者と73人以上の負傷者が出ており、イスラエル軍の戦闘機が昨夜アッカールとベカーア中部に対して行った爆撃の結果、その数はさらに増える可能性がある。犠牲者の多くはスリーファ、スィルア(スール郡)、ナバティーヤ、ナビー・シート、マアラブーン(バアルバック)での新たな虐殺によって命を落とした。イスラエルはスリーファの1街区を完全に破壊し、未だに犠牲者が瓦礫の下に残されている。その数は確認されていない。
(中略)
■ セニョーラ首相の訴え
そのような状況のなかで、フアード・アル=セニョーラ首相は安保理常任理事国5ヶ国および西洋諸国、アラブ諸国の大使を前に、国際社会に向けて呼びかけを行った。その呼びかけは、イスラエルのレバノン破壊を放置すれば、レバノン政府はそのような事態に耐えることができないため非常に危険である、との先例のない警告を含んでいたという点で重要なものであった。また観測筋が見たところでは、それはおそらく国連安保理決議による停戦を拒絶し続けているアメリカ合州国に向けた間接的なメッセージであった。セニョーラ首相は「あなたたちはレバノン政府を支援したいのですか?本当にレバノン政府を支援したいのですか?申し上げておきますが、祖国の瓦礫の上に存立しうる政府などありません」と述べた。また、恐るべき人的被害が7日間で負傷者1000人以上、死者300人、避難民50万人以上に及んだことを報告したうえでセニョーラ首相は世界の代表者たちに対して「停戦の呼びかけと戦争の恐怖に苦しむ我が国に対する包囲の早急な解除の呼びかけに、ただちに躊躇することなく応ずる」よう訴えた。
(後略)
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( 翻訳者:吉永晶子 )
( 記事ID:3113 )