ヒズブッラーがハイファ越え攻撃を開始、イスラエルではヒズブッラーに与えた損害をめぐってモサドと軍部の見解に食い違い(アル・アハラーム紙)
2006年07月29日付 Al-Ahram 紙
■ ヒズブッラー、アフーラにミサイル5発を射ち込むことで、ハイファ越え攻撃の段階を開始
■ イスラエル師団、ビント・ジュバイルとマールーン・ラアスからの撤退を余儀なくされる
■ ヒズブッラーの戦闘能力をめぐって、モサドと軍指導部の間に対立
2006年07月29日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ベイルート:ファトヒー・マフムード、占領下エルサレム・ワシントン:諸通信社】
昨日午後、ヒズブッラーは、自身の軍事部門である「イスラーム抵抗運動」が、ハイバル1という新型ミサイルをイスラエル・レバノン国境からおよそ50キロ離れたアフーラの町を砲撃するためにはじめて使用したと発表した。このミサイルの先端部分には100キロの爆薬を搭載しているという。また声明によれば抵抗運動は、新たな戦闘と挑戦と対決の段階の始まりとして、ハイファのさらに先に位置するアフーラを砲撃したとのことである。
イディオット・アハロノート紙支局が報じたところでは、ヒズブッラーがはじめて発射した新型モデルのミサイル5発はアフーラとベイト・シェアンの間に着弾した。
イスラエル砲撃部隊はレバノン南部で集中的な砲撃を継続している。イスラエル情報筋によれば、ベカー高原南部には160発が着弾し、アイトゥルーン村の半数の家屋が破壊された。またイスラエル海軍がフルースィーヤ村に向けて40発を撃ち込み、さらに爆撃機がスールとナバティーヤに対して20回、ベカー南部に60回、ベカー中央部に55回の空爆を行った。イスラエル情報筋は、およそ200名のヒズブッラーの戦闘員がすでに死亡したと主張している。また、テルアビブなど大都市の周囲に、パトリオット型とヒッツ型の迎撃ミサイルの砲台を配備完了したことを明らかにした。
この間に、軍事車両10台を含むイスラエル軍の師団が、ビント・ジュバイルの南側入口に位置するタッラ・マスウードから撤退し、マールーン・ラアス村に向かったが、村に師団が侵入した数分後、ヒズブッラーの戦闘員が襲いかかり、双方の間で激しい戦闘が行われた。その結果、師団はマールーン・ラアスからも撤退を余儀なくされた。
レバノン南部におけるイスラエル軍事作戦の進行が危ぶまれる中、モサド(諜報特務局)指導部と軍指導部の間で、イスラエルがヒズブッラーに与えたダメージの大きさをめぐって見解の相違が起きている。モサドのメイル・ダガン長官が、抵抗勢力側はさらに長期間にわたってイスラエルに対する戦闘を行う能力があると強調したのに対し、軍のアモス・ヤドリン情報部長はヒズブッラーに対してイスラエルが与えたダメージは甚大だと述べた。
ロンドンでは、ジョージ・ブッシュ米大統領とトニー・ブレア英首相の会見の数時間前に、英首相スポークスマンが、イギリスは今週のできるだけ早い段階に、中東に関する決議案を安保理に提出するよう希望していると発表した。
(後略)
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:3142 )