ハサンケイフ遺跡の移築は不可能(Hurriyet紙)
2006年07月31日付 Hurriyet 紙
ハサンケイフ遺跡と南東アナトリアの多くの考古学的に重要な場所で発掘監督者を務めているドイツ考古学研究所の考古学者、アンドレアス・シャハナー氏は、ハサンケイフ遺跡を別の場所に移築することは不可能だと述べた。
現在ハットゥーシャ遺跡の発掘監督代理を務めるシャハナーは、アッティラ・コチ文化観光相が「ハサンケイフ遺跡の景観を壊さないつもりだ。我々はダムを建設する。しかしハサンケイフ遺跡の石一つも失わさせない」と述べたことについて、「(ハサンケイフ遺跡の)すべての文化的建築物を発掘し、移築するようなことはできない。移築できるのは特定の遺跡だけだ」と答えた。
■トルコのジレンマ
ウルスダムが地域のために必要ならば、建設する必要もあると強調するシャハナーは、この状況がトルコにとってのジレンマであると述べた。シャハナーはダムがこの地域の開発にとって重要な要素であることに言及し、「ケバンダムやアタテュルクダムがなければ、この場所の発掘もできなかっただろう」と語った。
■世界中で議論されている
ダムと考古学について、両方のバランスを取ることのできる折衷案を見出すことが必要だと述べたシャハナーは、「政治的状況に左右され、一貫した政策がない。そのダムがそこに必要であるのかないのか、よく検討されなければならない。これは世界中で生じているジレンマである。国には自国を発展させる権利も、歴史的重要性を持つ場所を保存する権利もある。これらのバランスを探ることが必要だ。ドイツにおいてもこの問題について多くの議論が交わされている。歴史的な場所について、方法となるような研究が行われうる」と話した。
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( 翻訳者:山本裕一 )
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