エジプト、イスラエルのガザ再侵攻にともなう状況悪化を警告(アル・アハラーム紙)
2006年06月26日付 Al-Ahram 紙
■ エジプトはガザ地区における状況の悪化を警告
■ ムバーラク大統領、アッバース大統領とパレスチナ問題の進展について電話会談
■ フェダーイーン作戦により、2人のイスラエル兵士が殺害、4人が負傷、1人が捕虜に
2006年06月26日付アル・アハラーム紙(HP1面)
ホスニー・ムバーラク大統領がパレスチナのマフムード・アッバース大統領とパレスチナ問題の進展について電話会談を行なった昨日、アフマド・アブルゲイト外相は、ガザ地区でイスラエル側とパレスチナ側が相対している状況を受け、ガザ地区の状況が悪化し暴力の応酬へと逆戻りすることがもたらす結果について警告を発した。
アブルゲイト外相はこの状況がさらにエスカレートすれば、あらゆる方面にとって悪い結果がもたらされるとして、状況を複雑化し、パレスチナ人民の苦難を増すようないかなる措置も停止するようイスラエルに求めた。同様にアッバース大統領に対しても、このような行動をとる集団を統制するために必要な手段を講じるよう強く求めた。
同外相は、両者間の平静と信頼を取り戻し、交渉のテーブルに戻って和平交渉を再開することが、現段階で双方にとって重要であると強調したうえで、「エジプトは状況をコントロールするために、パレスチナ・イスラエル双方および米政府と緊密な連絡を取り、平静を保つようあらゆる方面に促している」と述べた。
これまでに「打ち砕かれた幻想」と名付けられた新たなフェダーイーン作戦によって、2人のイスラエル軍兵士が殺され、他に4人が負傷、もうひとりの兵士が捕虜となった。イッズッディーン・アル=カッサーム軍団、ナーセル・サラーフッディーン旅団に加えて、今までその存在が明らかにされていなかったイスラーム軍の3つのパレスチナ武装組織からなる集団が昨日早朝、ガザ地区との境界線に位置するイスラエル領に突入、その場にいたイスラエル機甲部隊の隊員殺害に至った。同様にこの集団はイスラエルの戦車を標的とし、イスラエル兵1人を捕虜にとることに成功した。
イスラエル軍報道官は、この作戦によって2人のイスラエル軍兵士が殺害されたことを認め、もう一人は行方不明だと述べた。
このフェダーイーン作戦の後すぐにイスラエル軍は、軍参謀委員会からの勧告に従い、2005年9月の入植地からのイスラエル軍撤退以降では最大となる、広範囲なガザ地区への侵攻を始めた。
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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:2903 )