エジプト、コプト博物館リニューアルオープン(アル・アハラーム紙)
2006年06月27日付 Al-Ahram 紙
■ムバーラク大統領、マグマウ・アル=アドゥヤーン地区のコプト博物館の開館式を執り行う
■貴重な遺物1300点が世界的にも重要な博物館に収められた
■大統領はナズィーフ首相に、ハラム地区の大エジプト博物館建設予定地を不法居住から守るよう要請
2006年06月27日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
ホスニー・ムバーラク大統領は昨日午前、3000万エジプトポンドをかけた博物館と付属施設の修復とリニューアル工事の完了に伴い、オールド・カイロのマグマウ・アル=アドヤーン地区にあるコプト博物館の開館式に臨んだ。この博物館は世界的にも重要な博物館のひとつに数えられる。
ファールーク・ホスニー文化相は、「同博物館ではエジプト各地の発掘現場で発見された1300点にのぼる様々な遺物が、26の展示室に収められている」と述べた。
また大統領はこの博物館の発展と修復、展示法などを記録したドキュメント映像を鑑賞し、最高遺跡評議会議長のザーヒー・ハワーッス博士が、同評議会が2003年から博物館のリニューアル作業に着手したと説明した。
また同評議会の修復担当局長であるスブヒー・シュヌーダ氏は、「エジプトは常に世界のどこよりも安全な国だった。だからこそかつて聖家族(訳注:イエスとその父母マリア・ヨセフのこと)も避難してきたのだ」と述べた。
博物館の訪問中、大統領はアムル・ブン・アル=アース・モスクの改修についても質問し、ファールーク・ホスニー文化相が「改修作業は終了し、アムル・ブン・アル=アース・モスク近くのフスタート地区に建設中の文明博物館プロジェクトも3年のうちに終了する。この博物館は有史前のエジプトからムハンマド=アリー朝に至るエジプト文明の物語を語ってくれるだろう」と答えた。
さらに大統領はピラミッドの丘近くに建設中の大エジプト博物館についても質問し、文化相は「作業はタイムテーブル通りに進んでいる。五年後のプロジェクト終了が待たれる」と述べた。
また文化相が大博物館プロジェクト用地に近接する、経済的な有効利用が求められる地域で、不法占拠が行われていることを指摘すると、大統領はアフマド・ナズィーフ首相と文化相にこの不法占拠問題への対処を求め、建設用地を不法居住区から守るよう指示した。
また大統領はプロジェクトへの資金調達とコストのカバーについて質問、文化相は日本政府からの借款と援助という形で3億ドルの資金を得ており、残りの資金は最高遺跡評議会の収入からまかなうとした。
さらに借款の返済方法についての質問に文化相は、利益検討の結果、大博物館の開館後12年で返済できるだろうと指摘した。
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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:2905 )