サーマッーラーでのイマーム廟破壊の実行犯らを公表、1人を逮捕(サバーフ・ジャディード紙)
2006年06月28日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ サーマッーラーの両イマーム廟破壊にイラク人2人、サウジ人4人、チュニジア人1人が関与

2006年06月28日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バグダード:本紙記者】

 イラクのムワッファク・アル=ルバイイー国家安全保障顧問は昨日水曜日、今年2月にサーマッーラーにある2霊廟の爆破を実行したのは「イラクのアル=カーイダ機構」に属するイラク人2人、サウジ人4人、チュニジア人1人であると発表した。

 ルバイイー氏は昨日バグダードにある会議会館での記者会見において、「イラクのアル=カーイダ機構」のメンバーであるイラク人2人、サウジ人4人、チュニジア人1人が、今年2月にサーマッーラーでのアスカリー両イマーム廟爆破攻撃の作戦実行者であると述べた。

 ルバイイー氏の説明によれば、この爆破作戦の計画を立案かつ指揮した人物はハイサム・アル=バドリーという「イラク人」テロリストであり、サラーフッディーン県のアル=カーイダ機構に属するこの人物こそが、今年2月22日のサーマッーラーにおけるアスカリー両イマーム廟爆破を計画かつ実行した者であるという。

 ルバイイー氏は、このバドリーが爆破作戦を指揮し、イラク人2人、サウジ人4人と「チュニジア人のアブー・クダーマ」と呼ばれる人物に指示を与えた人物であると説明し、「アブー・クダーマ」なるチュニジア人がハイサム・アル=バドリーの指揮と命令のもとにアスカリー両イマーム廟を爆破した主犯であると述べた。ルバイイー氏の説明によれば、爆破作戦を行うにあたり、この7人から成るグループは夜の間に両霊廟の警備員らを拘束し、爆弾を設置した後、朝になって両霊廟を爆破したという。

 またルバイイー氏によれば彼らは、サーマッラーの両霊廟の警護がイラク軍から施設維持部隊へ移管されるという、治安面での転換の機会を狙って攻撃を行ったのだという。

 サーマッラーはバグダード北方100kmに位置する町であり、第1級の聖廟に数えられる両霊廟がある。このサーマッラーで今年2月22日に武力攻撃が行われ、両霊廟が爆破、破壊される結果となった。

 ルバイイー氏は、最近イラク軍がチュニジア国籍「ユスリー・ファーヒル・ムハンマド・アリー・アル=トゥルイキー」、通称「チュニジア人アブー・クダーマ」と呼ばれる人物を拘束したことが真相解明のきっかけになったと述べた。

 ルバイイー氏の説明によれば、2003年11月にすでにイラク入りしていた「アブー・クダーマ」は、数日前に15人の武装した外国人とともにバグダード北方約30kmに位置するドゥルーイーヤの検問所へ押し入ろうとした際に逮捕され、彼と一緒にいた15人の外国人テロリストは殺害された。

 ルバイイー氏は殺害された15人の国籍を明らかにせず、「彼らの国籍を発表することは賢明でない。彼らの国籍を秘密にしておくことが捜査の助けとなるだろう」と述べた。

 この作戦の実行に関してルバイイー氏は、「アブー・クダーマを逮捕した作戦は、数日前にイラクの治安部隊によって多国籍軍の支援のもとで行われた」と述べた。

 またルバイイー氏によれば、「アブー・クダーマ」は数々の犯罪を行ったとみられており、その中には女性ジャーナリスト、アトワール・バフジャトの殺害も含まれるという。彼女がサーマッラーの爆破事件に関して映像記事をアル=アラビーヤTVへ送るところを、ハイサム・アル=バドリーがガソリン・スタンドの内側から監視していたとのことである。

 衛星テレビ局アル=アラビーヤの記者であったアトワール・バフジャトはサーマッラーの事件当日にサーマッラーの入り口付近で事件の取材をしようとしていたところを誘拐され、翌日暗殺された。

 またルバイイー氏の発表によれば、「アブー・クダーマ」は別の活動にも加わっていたと自白しており、ハイサム・アル=バドリーの活動や「イラクのアル=カーイダ機構」に関する重要な情報を口にしており、ハイサム・アル=バドリーの指示によりラマーディーやモースルやサーマッラーにおいて何百人ものイラク人を殺害したと自白している。

 さらにルバイイー氏は、「テロリスト、ハイサム・アル=バドリーはいまだ司法当局に追われているが、英雄である我々の部隊の手に落ち、サラーフッディーン県のアル=カーイダ機構の幹部として公正な報いを受けるであろう」と述べた。

 またルバイイー氏は、サーマッラーの爆破事件の詳細を公表するのが遅れたことは「問題の危険性」によるものであり、「捜査を完了するためにはこれだけの時間が必要だった」と釈明した。

 ルバイイー氏は、イラクの軍と軍情報局がイラクで活動するアル=カーイダ機構や他のテロ組織に大きく切り込むことができたと述べた。

 ルバイイー氏はハイサム・アル=バドリー個人の情報について、「名前はハイサム・サバーフ・シャーキル・マハムード・アル=バドリー。サーマッラー県の生まれで、アル=カーイダ機構へ移る以前は、崩壊した旧体制と関係があった」と発表した。

 この記者会見でハイサム・アル=バドリーの写真が発表されたが、「アブー・クダーマ」の写真は公表されなかった。この点についてルバイイー氏は、「治安上あるいは司法上の理由からアブー・クダーマの写真は公表せず伏せておいた」と述べた。

 またルバイイー氏は、「ハイサム・アル=バドリーを逮捕するために、我々はイラク国民の手助けを必要としている」と述べた。




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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:2925 )