クルド系新政党「クルド自由グループ」設立―連邦制を主張へ(Milliyet紙)
2006年07月09日付 Milliyet 紙
PKK(クルド労働者党)とDTP(民主市民党)を批判し、DTPに対立して「クルド自由グループ」を設立したシェラフェッティン・エルチ氏は、トルコが連邦となることを打ち出している。「PKKはテロリストとみなされ、DTPもPKKと距離を置くことができなかった」
1970年代に「クルド問題」という概念を政界で初めて使ったシェラフェッティン・エルチ元公共事業大臣は、DTPへの対抗組織の設立に乗り出した。エルチ氏が1997年に結成した民主大衆党は、その綱領が分離主義的であったため解党に追い込まれた。しかしながら氏は、「クルド自由グループ」という名の新政党の下で16ヶ月にわたり行ってきた活動について昨日ヒルトンホテルで会見した。
党の発足のために2日間行われるシンポジウムではまず「自由と民主主義に身を捧げた人々」への黙祷で始まった。トルコ国歌は斉唱されず、トルコ国旗が掲げられた演壇で初めにエルチ氏がクルド語で話し、そのあとトルコ語で説明を続けた。
エルチ氏は、トルコにとって重大問題であるクルド問題に対して、もっとも正当かつ持続性のある解決法は連邦制を採用することだと主張し、今後その正当性が明らかになるだろうと話した。
エルチ氏はまた、連邦制を提案するにあたって憲法上の問題はないことや、「国家の一体性は愛国者的な理解によってではなく、ヨーロッパ人権裁判所によって定義されるべきである」と述べた。そして党綱領が拠り所とする原則について以下のように説明した。
「連邦制は同じ政治的枠組みの中で異なったものがそれぞれ自治を行う権利である。我々はトルコやクルドという民族の国家ではなく、同じ国籍を持つ者たちによる国家を求めている。トルコ政府そのものの存在に関して、我々は疑義を持ってはいない。国家の排外主義的な構造は変えねばならない」
クルド運動が停滞していると述べるエルチ氏は、PKKおよびDTPについて以下のように評価した。
「最近もっとも強いクルド闘争をおこしているPKKとその指示に従っている各組織は、希望をもたらすどころか、まったくの絶望の原因となっている。クルド人たちはこの組織に懸命にしがみつき、全ての可能性を限界まで広げながらこの組織を支えてきた。しかしながら、この組織はその力を人々のために使うに至らなかった。反対に、解決策が見つからず深刻な事態に陥っている。解決の糸口がどれほど正しいとしても、彼らの主張がどれほど正当なものだとしても、罪のない人々が被害を受けることを世界は許さない。この組織は残念なことに世界各国からテロリスト組織として指摘、宣告されている。もはや成功のチャンスはないだろう。DTPもまたPKKと距離を置くことができなかった」
党の名前はシンポジウムで発表され、発足のための申請書が提出される。新しい組織には、ハシム・ハシミ氏、メフメト・エミン・セヴェル氏、イブラヒム・アクソイ氏、メフメト・アリ・エレン氏ら元国会議員と、アブデュルカーディル・ポラト助教授が参加している。
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( 翻訳者:湯澤 芙美 )
( 記事ID:2935 )