E.サイードら結成の「東西ディーヴァーンオーケストラ」、イスタンブル公演微妙に(Yeni Safak紙)
2006年08月12日付 Yeni Safak 紙
パレスチナ人思想家エドワード・サイードとイスラエル政府に批判的なイスラエル人(指揮者)ダニエル・バレンボイムが17カ国から110人の音楽家を集めて創設した「東西ディーヴァーンオーケストラ」。そのイスタンブル公演開催が、ユダヤ人スポンサーが抜けたことにより危ぶまれている。公演の延期が検討されている。
東西ディーヴァーンオーケストラは、中東和平と文化間対話の使命を掲げて、パレスチナ人思想家エドワード・サイードとイスラエル人の反政府的なオーケストラ指揮者、ダニエル・バレンボイムによって1999年に創設された。だが8月16日にイスタンブル文化芸術財団主催で聖イレーネ博物館で予定されていた公演は、スポンサーが抜けたことで開催が危ぶまれている。
シリア、レバノン、ヨルダン、チュニジア、スペイン、オランダ、イスラエルを始め、17カ国から110人の音楽家を集め創設されたオーケストラが予定していた公演は、中東でのパレスチナとレバノンに対するイスラエルの攻撃が原因で、ユダヤ人協会がスポンサーから降りたため開催が危機的状況となった。
■スポンサーが見つからなければ延期されるだろう
ユダヤ人スポンサーは、和平の使命を掲げる「東西ディーヴァーンオーケストラ」を今日まで続けて支援してきた。ユダヤ人協会の支援中止の決定は、芸術界に大きな衝撃を与えた。この件に関する情報の提供を求められたトルコユダヤ人協会のスポークスマン、シルヴィヨ・オヴァディヤがスタッフと行った話し合いでは結論が出なかった。
公演を主催したイスタンブル文化芸術財団はこのような予想外の事態について、昨夜(11日)緊急の会合を開いた。状況の把握を行った会合では、公演中止を防ぐために代わりのスポンサー探しを始めたが、解決には至らなかった。会合では、スポンサーが見つからない場合は公演を中止する、という考えは受け入れられなかった。だが公演予定日の8月16日水曜日までにスポンサーが見つからなかった場合は、公演を延期することになった。スポンサー探しを続けることが明らかにされた。
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( 翻訳者:富田 祐子 )
( 記事ID:3271 )