キルクーク、サラーフッディーン、ナースィリーヤの治安権限がイラク軍へ移管(サバーフ・ジャディード紙)
2006年08月10日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ イラク軍がキルクーク、サラーフッディーン、ナースィリーヤの治安権限を担う
2006年08月10日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面
【バグダード:本紙記者】
ムワッファク・アル=ルバイイー国家安全保障顧問は、「サラーフッディーン県およびキルクーク県の治安任務がイラク軍に移管されたことは、イラク軍の能力が向上した証である」と述べた。
ルバイイー顧問はアメリカ軍101空挺師団からイラク軍第4師団への治安任務移管に立ち会った際に、「イラク軍第4師団はイラク軍の全10師団の中でイラク諸県の治安責任を移管された5番目の師団であり、この措置は今年末までに完了予定のイラク全土における治安任務の完全移管に向けての光輝く一歩である」と述べた。
またルバイイー顧問は、全県で治安任務の責任を担いうる態勢の整ったレベルへとイラク軍の能力を向上させる必要性を強調した。
任務移管の式典には、アブドゥルカーディル・ムハンマド・アル=ウバイディー国防相、サラーフッディーン県知事、ザルマーイ・ハリールザード在イラク米大使、イラク駐留多国籍軍のジョージ・ケーシー司令官らが出席した。
ハリールザード米大使とケーシー多国籍軍司令官の共同声明では、イラク軍第4師団がアメリカ軍第101空挺師団から管轄区域の指揮権を正式に移管されたことが宣言され、この措置は全てのイラク治安部隊をイラクにおける治安作戦の準備、計画、実行に関する指揮を行う位置に置くという共通目的を達成する途上での重要な一歩である、と述べられた。また、現在イラク軍の5個師団司令部、25個旅団司令部、85個連隊が担当地区の治安指揮責任を担っていること、さらに連合軍作戦基地110ヶ所のうち48ヶ所の責任がイラクの管理下へ移管されたことが明らかにされた。
また共同声明では、連合軍の責任がイラク治安部隊に移管されたことは、イラク治安部隊の作戦能力の成長を反映していると述べられ、「イラク治安部隊の能力は順調に向上し、連合軍から独立して治安作戦を計画・実行しているが、我々は引き続き、イラク国民に平和と安寧をもたらすべく取り組んでいるイラク治安部隊とイラク政府への支援を約束する」と宣言された。
一方でアメリカ国防総省は、「イラク軍の5個目の師団がイラク一部地域の治安管理をアメリカ軍から引き継いだことにより、作戦の基本的な責任を担うようになったイラク軍師団の割合は現在までに50%に上った」と述べた。
アメリカ国防総省のブライアン・ウィットマン報道官は、「イラク軍師団がイラク北部の都市ティクリートとキルクークの基本的な管理責任を引き継いだ」と述べた。
ウィットマン報道官は、管理権の移管は重要な出来事であるが、いまだイラク軍は首都をはじめ人口の集中する地域で治安に関する困難な課題に直面していると述べた。
これと関連してディーカール県のアズィーズ・カーズィム・アルワーン知事は、同県の治安任務を現在任務にあたっているイタリア軍からイラク軍へと近日中に移管する準備が整っていると述べた。
アルワーン知事は水曜日の記者会見で、治安責任の移管が決定されたのは、イラク軍とイタリア軍の共同軍事訓練が実施され、ディーカール県のイラク軍と警察がイタリア軍に代わって治安を取り仕切る準備ができていることが明らかになったためである、と述べた。
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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:3293 )