ビュユクアヌト陸軍大将、参謀総長へ異例のスピード任命(Milliyet紙)
2006年08月01日付 Milliyet 紙

8月30日をもって退任することになっているヒルミ・オズギョク参謀総長の後任に陸軍司令官ヤシャル・ビュユクアヌト大将を任命する決定が、事前の発表なしに突如今日から始まる高等軍事評議会の会合前に下された。

政府は、ビュユクアヌト氏に関する憶測に終止符を打つ目的で、「慣例にそぐわない形で」規範文書に調印した。高等軍事評議会の決定より前に準備されていた閣議決定が、アフメト・ネジュデト・セゼル大統領によって異例のスピードで署名された。ビュユクアヌト氏は、トルコ共和国第25代参謀総長として2年間の任務に当たる。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、7月28日にイスタンブルで行った会見で、「ビュユクアヌト氏は有能な司令官だ。トルコ国軍の伝統の中で変更は一切ない。問題はない。通常の交代時期だ」と述べ、ビュユクアヌト氏の参謀総長任命に関する憶測を一蹴した。
今日から始まる高等軍事評議会で、最大の議論はやはりビュユクアヌト氏の名前をめぐって繰り広げられるだろうとみられている。週内にもビュユクアヌト氏にまつわる憶測が出てくるものとみられる。

■三者会談

昨日、アンカラの舞台裏では、エルドアン首相が7月27日にドルマバフチェ宮殿にある首相府のオフィスでオズキョク氏、ヴェジディ・ギョニュル国防相と(3人で)行った会談で、任命発表が高等軍事評議会の前に行われる件が取り上げられたという情報が流れた。
任命がこのような形で進められることは、ビュユクアヌト氏とトルコ国軍の権威失墜を防ぐためだとのオズキョク氏の見解が伝えられた。エルドアン首相も、国内にはPKK(クルド労働者党)のテロ、国外では中東危機のため事態が騒然としている時期に、ビュユクアヌト氏に対する憶測がこれ以上流れ続けないよう望んでいた。
こうした過程を経て、昨日の閣議で任命に関する決定が憲法第117条の規定に従って署名されると、セゼル大統領に送られた。

■任命問題に決着

慣例にそぐわない形で進められた任命の手続きは、セゼル大統領の決定承認、そしてまず大統領府のホームページ上で、後に文書にて告知され終了した。
このようにして、シェムディンリ事件の告発状で厳しく糾弾され、インターネット上で自身について中傷キャンペーンが展開されたビュユクアヌト氏が参謀総長へ任命されるか否かに関する疑問符は取り除かれた。

■任命は憲法規定に依拠

参謀長官任命に関するプロセスは、高等軍事評議会の外で進められる。参謀総長は、憲法第117条の規定に従って、閣議提案と大統領の承認によって任命される。参謀長官任命に関する決定は、伝統的には、4日間開かれる高等軍事評議会で下された他の決定とともに一般に公開される。今日から始まる高等軍事評議会の会議後、現職のオズキョク氏は退役する。陸軍司令官には、第一軍司令官のイルケル・バシュブー大将が、フェヴズ・トゥルケル大将に代わる保安隊総司令官には第二軍司令官のシュクリュ・シャルシュク対象が任命される見込み。2008年のビュユクアヌト氏退役後はバシュブー氏が参謀長官に就任するものとみられている。

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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:3158 )