イラクでエジプト人殺害続く、米政府は民主主義に代わる制度の検討を否定(アル・アハラーム紙)
2006年08月19日付 Al-Ahram 紙

■ 連続するエジプト人の拉致・殺害
■ 米政府、「イラクで民主主義に代わる制度を検討」との報道を否定

2006年08月19日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ワシントン:諸通信社、バグダード:ムハンマド・アル=アンワル】

 昨日ホワイトハウスは、「当地での暴力をコントロールすることに失敗したことを受け、米当局がイラクで民主主義に代わる制度を導入することを検討している」とするマスコミの報道を否定した。ホワイトハウスのトニー・スノー報道官はこの失敗については認めた上で、恐るべき困難と課題が存在するためだと弁明した。
 同報道官はまた、政治的な危険が伴うにもかかわらず、大統領はイラクへの増派を承認するかもしれないと語った。

 一方BBCは、イラクの治安の悪化は、宗教的権威が政権およびリーダシップを争っているせいだとして、イラクの部族的構造と、あらゆる事柄に関して宗教的権威の意見を固持することの二つが、宗教的指導者の信奉者とイラク治安部隊、両者間での武力衝突を掻き立てる要素になっていると報じた。

 他方、ここ数日、バグダード在留エジプト人の拉致・殺害が次々に起こっている。本紙はすでに、この2週間で14人のエジプト人が殺害されたと報じたが、エジプト人が被害にあった殺人事件に関する通報がイラク警察にもたらされたとする諸方面からの連絡は途切れることがない。その中には、カーズィミーヤ地区でこの2ヶ月間に13人が殺害された件も含まれる。

 同時にイラクのヌーリー・アル=マーリキー首相官邸は昨日、イラク政府がバグダード治安計画の一環として家宅捜索を行った結果、5名のエジプト人を逮捕したという声明を発表した。

 その頃米紙NYタイムズは、ハディーサ地区で24人のイラク民間人が殺害されたスキャンダルに関して米国防総省が実施した調査内容を暴露し、事件に関与した海兵隊の兵士らが、自らの罪を立証する証拠を隠滅したことを確認した。



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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:3309 )