総主教、コプト教会分裂問題への米政府の関与を否定 (アル・アハラーム紙)
2006年07月11日付 Al-Ahram 紙

■ムバーラク大統領、シュヌーダ三世総主教の帰国を祝福
■総主教:「米政府はマックス・ミッシェルを支持していない・・危機の背後にいるのは独立派教会だ」
■追放処分を受けた分派主義者の電話による司教への任命および彼の婚姻はキリスト教の教義に反する

2006年07月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

アレキサンドリア司教にしてコプト教会総主教のシュヌーダ三世は、コプト教会から分離・追放され、自らをマクシムス主教として任命したマックス・ミシェルが引き起こした危機について、その背後にいるのはいくつかの米独立派教会であって、国家として、あるいは政府としての米国ではないと明言した。

総主教は昨日の記者会見で、この議題は大統領府に上申するほど大きな問題ではなく、マックス・ミシェルの活動を禁止する大統領府の決定は必要ないと述べ、エジプト当局はこの問題が早急に解消するとわかっており、問題への不介入それ自体が決定と言っていいのだろう、と指摘した。

また総主教は続けて、「教会側からはマックス・ミッシェルの破門宣告はしていない。彼は自分自身を破門し、教会のトップに立ちたいという欲望に流されたのだ」と語った。

この記者会見中、シュヌーダ総主教はホスニー・ムバーラク大統領から電話で連絡を受け、大統領は一ヶ月に及ぶ海外での治療の成功と一昨日のエジプトへの帰還を歓迎し、彼の健康に安堵を見せた。

本紙記者アシュラフ・サーディクの質問に対しシュヌーダ総主教は、「それぞれの教会から分派した何人かの司教たちが分離キリスト者連合という連合体を組織しており、彼らの思惑と、主教になりたいというマックス・ミッシェルの思惑が一致した。それでアメリカのネバダ州で聖職受任を行って彼をエジプトに送り込み、司教、次いで主教の地位を電話で授与した。これは明らかにキリスト教の儀礼と教義に反する。なぜなら彼は結婚して娘が二人おり、福音書はそれを許していないからだ。彼はこの違反だけに満足せず、司教らにも婚姻を勧めた」と語った。

さらにシュヌーダ総主教は、エジプト内務省がマックス・ミッシェルに対しこれまでに許可も禁止も出していないことを明らかにしたうえで、「マックス・ミッシェルは内務省の最終的な立場表明を待っているところだ」と述べて、彼に対する訴訟を起こすつもりはないとの考えを示した。

また教皇は、この分派主義者の存在を許した際、アメリカからエジプトへの圧力が存在したのではという問題に触れることは拒否した。


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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:3164 )