カリユーブで列車衝突事故、58人が死亡 (アル・アハラーム紙)
2006年08月22日付 Al-Ahram 紙

■カリユーブでの列車衝突事故で死者58人、負傷者143人…ムバーラク大統領は緊急事態としての対応を指示
■事故原因は制御装置の故障と信号無視
■鉄の塊を切断し遺体を搬出するため、軍に協力要請
■負傷者を6つの病院で受け入れ、ゼインホムの遺体安置所に遺体の断片を収容

2006年08月22日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

昨日朝7時15分、カリユーブ市の住宅地近くで死者58人、重軽傷者143人を出した列車の痛ましい事故があり、マンスーラからカイロに向かっていた808号列車がベンハーからカイロに向かっていた344号列車の後部に追突した。死亡したマンスーラ発列車の運転手、アブドゥッラフマーン・アブドゥルアーティーは自動制御装置の故障により列車の速度を落とすことも停止させることも出来ず、ベンハー発の列車に激突し、2台の列車の残骸の間に犠牲者の肉片が散乱する惨事となった。強い衝突で2台の列車の車両から火災が発生したこともあり、数百人の乗客たちは避難用の窓や扉からの脱出を急いだ。火災は犠牲者と負傷者を出す前に消し止められ、遺体が焼け焦げることも防がれた。

地獄のような瞬間に、ベンハー発列車の後部3両は遠くにまで散乱した血や遺体の一部が付着した破片と鉄の塊に変わり、マンスーラ発列車の頭部車両とそれに続く二両は完全に破壊された。

その多くがカイロで働く公務員や労働者である列車から避難した目撃者たちが語った悲劇のシナリオによると、目撃者たちのうち何名かは、ベンハー発の列車は速度を下げ、本来止まらないはずのカリユーブ駅で突然停車したと話し、その他の目撃者は速度を下げただけで停止はしなかったと述べた。当時車両は乗客で混雑しており、数人は席に座り多くの乗客は通路に立っていた。そして突然事前の警告なしに、いつも通りの速度のマンスーラ発列車とともに、死は急速に迫ってきた。速度の低下を指示する信号に気づかなかった運転手はベンハー発の列車が同じ路線上にいることに驚き、助手のハーシム・ファトヒーとともに列車の停止や速度を落とそうと試みたが、自動制御装置が働かないことに気づいた。全ての災難がそうである様に、結果は神の手に委ねられた。
(後略)



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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:3382 )