タカ派で歯に衣着せぬ人―ヨーロッパ各紙の新参謀総長ビュユクアヌト評(Milliyet紙)
2006年08月03日付 Milliyet 紙
陸軍のヤシャル・ビュユクアヌト大将が参謀総長に任命されたことについて、海外でも反響が起こっている。メディアは「タカ派で歯に衣着せぬ」人物であると評し、PKK(クルド労働者党)や世俗主義堅持問題についてより強硬な態度をとることが予想されると伝えた。
英フィナンシャルタイムズ紙は記事に「新しい総長はトルコの政治エリートにとって試金石となるだろう」という見出しを掲げた。
同紙は、トルコが「政治的に先行き不透明な時期」に直面する中、今回の任命はまさにぴったりだったとしたうえで、「前任のオズキョク氏と比べてどの程度タカ派なのかという点は、これから数週間トルコの治安問題の中心となる二つの問題に対する見解から明らかになるだろう」と解説している。
この二つの問題とは、PKK問題とレバノンで活動する予定の平和部隊のことを指している。
■より強硬かつ民族主義者
仏ル・モンド紙は、タカ派で知られる大将を公正発展党が参謀総長に任命したことを報じ、「今回の任命は、トルコがイラク北部に介入する危険が再び高まり、レバノンでの平和部隊参加が検討されているこの時期に合わせてのことである」と伝えた。
同紙は、ビュユクアヌト氏が、世俗主義問題について強硬な考えをもち、民族主義的な傾向の持ち主として知られているとする一方で、「対抗勢力であるイスラム主義勢力からは、親米・親イスラエル的」と批判されていることを明らかにした。
仏ル・フィガロ紙は「ビュユクアヌト氏はイラク北部にあるPKKの拠点を無力化したいと考えている」という見出しをつけた記事で、「新しい参謀総長は 対PKK闘争に関し強硬手段派だ」と述べた。同紙は、ビュユクアヌト氏がかつてPKKの攻撃に対する政府の態度を「甘すぎる」と批判したことも取り上げた。
■前任者に比べ強硬派
今回の任命に関してBBCは、「ビュユクアヌト氏は、対PKK闘争やトルコの世俗主義堅持問題について、より強硬路線をとると思われる」と伝えた。「前任者に比べ、イスラム過激派やPKKの脅威といった問題ではよりタカ派で、はっきりものを言う」ことが予想されると伝えるBBCは、シェムディンリ事件に関する彼の見解についても取り上げた。
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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:3179 )