アフメト・ネジュデト・セゼル大統領は、新テロ対策法の一部項目について、削除を求めて憲法裁判所に提訴した。大統領は、テロを支援する内容の文書を出版することにより、出版・放送機関の所有者と出版・放送責任者に罰金刑を科すことを定める条項について、罰則の主体性に関する原則になじまず、知る自由や報道の自由を妨げるという理由で削除を求めた。

セゼル大統領は先月17日に新テロ対策法を承認したが、いくつかの条項については削除を求め憲法裁判所に提訴する意向を示していた。出版・放送機関に関する第5条、第7条の中のいくつかの条項の削除を求めて提訴した大統領は、その理由を次のように列挙した。

・出版や放送を通じてテロを支援するという罪を理由に、出版・放送機関の経営者と出版･放送責任者に対し罪に加わったかのように罰金が科されることは、罰則の責任は個人が負うものとする憲法第38条に反している。

・犯罪に関係していない出版・放送機関の所有者と出版・放送責任者に科される罰金の高額さは、出版・放送機関を委縮させ、情報や思想、信条の自由な伝達を妨げるおそれがある。

・憲法には、報道は自由で検閲されないこと、また国は報道の自由や知る自由を守る手立てを取らなければならないことが記されている。新テロ対策法によって出版物の配布が妨げられたり、発禁や回収命令、一時的な休刊のような制裁措置が取られ、法律が拡大解釈される可能性が残されることは憲法に反する。

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（ 翻訳者:湯澤 芙美 ）
（ 記事ID:3193 )