イスラエルの空爆でシリア人労働者が死亡、レバノン全土を分断する新たな作戦段階へ(アル・アハラーム紙)
2006年08月05日付 Al-Ahram 紙
■ イスラエル、レバノン東部のカーア村を空爆。33人の労働者が死亡、大多数はシリア人
■ イスラエル戦闘機、レバノンへの空爆を激化。レバノンと外界を結ぶ橋を破壊
■ アムネスティー・インターナショナル:「カナでの虐殺に関するイスラエルの報告書は偽り」
2006年08月05日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ベイルート:ファトヒー・マフムード、占領下エルサレム:諸通信社】
レバノンでの停戦を求める安保理決議採択をめざす国際的努力が続く中、昨日もイスラエル軍は残虐な作戦を継続した。戦争はあらたな様相を呈してきており、昨日未明からはイスラエルの戦闘機が交通網を断ち、各地域をずたずたに分断することを狙ったレバノン全土への広範囲な作戦を開始している。数十回の空爆によって、ベイルートとレバノン北部、さらには外界すべてとをつなぐ主要な四つの橋が破壊された。この攻撃によって、レバノン人5人が殺害されたほか、12名の負傷者が出た。これらの橋はレバノン人を外界とをつなぐ大動脈といえる。
さらに、ベイルート東部のマロン派キリスト教徒地区がはじめてイスラエル戦闘機の攻撃目標となった。戦闘機は終日、ベイルート空港に隣接するアウザーイー地区におよそ26回にわたって爆撃をおこない、その結果レバノン人兵士1名が死亡し、ほかに3名の負傷者が出た。
さらに激しい空爆がキリスト教徒地区であるカーア村のジャウサ国境検問所に対して行われ、その結果33人の農業労働者が殺害された。大多数はシリア人であり、ほかに12名の負傷者が出た。民間の防衛隊が負傷者をシリア国内に搬送した。
(中略)
一方、アムネスティー・インターナショナルは、数十人の死傷者を出したカナの虐殺についてのイスラエル側の調査は「偽りだ」と評して批判した。その上で、重大な国際人道法違反に関する信頼性の高い報告を精査する独立調査の実施を求めた。
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:3203 )