ムバーラク大統領、ブッシュ大統領にレバノンでの停戦を求める緊急メッセージ(アル・アハラーム紙)
2006年08月04日付 Al-Ahram 紙
■ ムバーラク大統領からブッシュ大統領へ、レバノンでの無条件停戦を要求する緊急メッセージ
■ ヒズブッラー部隊とイスラエル軍の間で南部の20カ村周辺にて激しい戦闘
■ ナスルッラー師:「イスラエルがベイルートを爆撃するなら、テルアビブをロケット弾で攻撃するだろう」
■ セニョーラ首相:「900人の死者と3000人の負傷者と100万人の避難民が3週間の侵略で犠牲になった」
2006年08月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP 1面
MENA(中東通信社)が得た情報によると、ホスニー・ムバーラク大統領はアメリカのジョージ・ブッシュ大統領に緊急メッセージを送り、レバノンの現状の危険性と中東全体に与える影響について説明し、アメリカに対し、無条件かつ全面的な即時停戦を実現するため早急に介入するよう要求した。
以下は23日目に入ったイスラエルのレバノン攻撃に関する最新情勢である。
【ベイルート:ファトヒー・マフムード、エルサレム:諸通信社】
イスラエル軍は国境地帯の4つの拠点付近にある約20村落に、7個師団、すなわち1万人の兵力を送り込み、わずか数百人のヒズブッラー部隊との間での激しい戦闘に突入した。
イスラエル・テレビは、イスラエル軍はこの20村が含まれる国境から6キロの範囲に及ぶ地域に安全保障地帯を打ち立てつつあると報じたが、この一帯をイスラエル軍が完全に制圧したのかどうか特定はできないとしている。また、軍は複数の村に複数の制圧拠点を手にしているとも伝えた。
イスラエル高官らによれば、イスラエルは来週の中ごろ安保理で停戦決議が出される前に、安全保障地帯を完成させるべく、時間との競争をしているという。
国際部隊の編成と停戦という二つの決議の採択と、政治的解決の実現に向けて、外交的努力が活発になる中、ヒズブッラーのフサイン・ラッハール報道官は、レバノンの地にイスラエル兵が一人でも残っている限りヒズブッラーは停戦に合意しないと明言し、「レバノン領のほんのわずかな土地にでもイスラエル人が居残る限り、すべてのレバノン人には闘う権利がある」と述べた。
その頃、スールとマルジャアユーンに対するイスラエルの陸と空からの攻撃が同時に行われ、またベイルート南郊のヒズブッラー拠点に対する空爆も、一週間続いた停止の後、再開された。
またシリアとの国境近くの道路と、ベカー高原の複数の標的を狙ったイスラエルの空爆は合計70回に達した。その見返りとしてヒズブッラーの部隊は100発のミサイルをイスラエルに向けて発射し、ハイファでは警報サイレンが鳴り響いた。また南レバノンのカウザフ-アイター・シャアブ-タッラト・ワルダ間の三角地帯でイスラエルの歩兵隊と装甲車部隊を攻撃し、国境から5kmのところでイスラエル軍の戦車6台とブルドーザー2台を破壊、乗組員を死亡もしくは負傷させた。
ヒズブッラー筋の伝えたところでは、ヒズブッラーとの戦いでイスラエル兵2人が殺され、他に4人が負傷した。
(後略)
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:3209 )