迅速なPKK対策を -トルコ政府が米国とイラクへ要請(Yeni Safak紙)
2006年08月08日付 Yeni Safak 紙

政府報道官兼法務大臣のジェミル・チチェキは、テロ組織PKK対策に着手したことを明らかにしたアメリカとイラクに「取り組みのスピードを速めるように」と要請した。

チチェキは、昨日約7時間続いた閣議後の会見で、テロが外部との繋がりを持っており、単にトルコだけの問題でなく、地域の、そして世界の問題でもあると述べた。チチェキは、「分離主義を掲げるテロに関連して我々が交渉している2つの国がある。それらはアメリカとイラクである。以前にこの問題について非常に包括的な話し合いが行われた。アメリカがこの問題により迅速に対応できるようにするための調整役としての立場も重要となり得よう。テロ組織との闘いはよりスピードを増すべきだ。これから先の段階でより多くの、より迅速な(テロ組織対策の)メカニズムが機能するよう願っている」と述べた。

チチェキは、ある問いに関して昨日の朝首相府の建物の前で“ヘーゼルナッツ・デモ”を行った共和人民党(オルドゥ選出の)タンドードゥ国会議員へも返答した。同議員の行動を「不愉快なふるまい」と評したチチェキは、「首相府の前はヘーゼルナッツ市場ではない。現在のヘーゼルナッツ農業販売協同組合(Fiskobirlik)体制に関連したデモを行っていればよかったのだが。首相府はお門違いの場所である。ポピュリスト(大衆主義者)的なやり方だ。問題を政治化しようとしている」と述べた。

■ヘーゼルナッツ委員会召集

先週行われた閣議でエルドアン首相を委員長に6人で組織されたヘーゼルナッツ委員会が今日始めての会合を行う。エルドアン首相を座長に午後1時から会合が開かれることを明らかにしたチチェキは、ヘーゼルナッツの直面している問題はFiskobirlik体制の帰結であり、Fiskobirlikが2000兆リラもの債務帳消しにもかかわらずポピュリスト的なやり方と「国家がどのみち解決する」という理屈で今日までやって来たと述べた。チチェキは、経済の問題が政治的な問題にされたとも語った。

■宗務庁からテレビでの宗教放送への警告

閣議には宗務庁のアリ・バルダックオール長官も出席した。バルダックオールは閣議で宗務庁からの要望を表明する一方で、近頃特にテレビで放送されている宗教的なテーマを扱う議論番組が国民を誤った方向へ導いたと主張した。チチェキは、バルダックオールが会議で宗教的な話題について専門ではない人が話すことは正しくないと述べたことを明らかにした。チチェキは、「宗教は重要な問題である。こういった討論番組が反目や衝突、トラブルを引き起こしている。特にテレビにおいて専門家でない、また宗教と宗務庁に関係のない人が(国民を)本来とは異なる方向に導いている。宗教的な知識に基づかない発言は不快である。宗教において同胞意識を持つことは大切なことだが、こうした討論は衝突を引き起こす。宗務庁はこの件について一層努力をするに違いない」と述べた。

チチェキは、バルダックオール長官がトルコの全てのモスクで聖職者が約9700人不足しているとした上で、宗教サービスの提供は憲法上の義務であり、聖職者が配置されない場合にはモスクで専門家でない人々が職務に従事することになり、このこともまた好ましくない事態を生む可能性があると述べた。宗務庁の全職員の教育レベルの向上と、日常的な問題について国民を啓蒙するための重点的な取り組みを開始することが決定された。

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( 翻訳者:小野寺香織 )
( 記事ID:3216 )