米国とトルコのPKK(クルド労働者党)問題担当コーディネーター、初会合(Radikal紙)
2006年09月10日付 Radikal 紙
PKK問題担当に任命されたトルコとアメリカの元軍司令官が水曜日の会合で顔を合わせる。会合の結果は、ブッシュ大統領とエルドアン首相の決定に影響を及ぼすであろう。
PKK問題担当に任命されたトルコとアメリカの「コーディネーター」が水曜日の初会合で対面する。アメリカ側のコーディネーター、ジョセフ・ラルストン退役大将が対談する相手は、トルコの「テロ対策高等評議会代表」として任命が決まったエディップ・バシェル退役大将となる。トルコ側は、PKKとの対話を連想させることを懸念して、「PKKコーディネーター」という表現の使用を避けている。バシェルの任命に関わる手続きは、月曜日に行われる閣議で明らかになると見られる。外交筋は、バシェルが首相府管轄のテロ対策高等評議会の代表として任務に就くことを明らかにした。
バシェル退役大将は、新たな任務にかんし、昨日アナトリア通信に対して次のように話した:「数日以内に公的な手続きを完了させ、与えられた任務に就くことになると思う。成功を願っている。厳しい任務だが、我々の辞書に任務を回避するという文字はない。テロ被害との闘いにおいて与えられた任務を最良の形で果たすため力の限りを尽くし、輝かしい歴史を持つ我が国と親愛なる国民にふさわしい形で任務を遂行する所存である。このことについてご心配には及ばない」。
ラルストン退役大将は、9月13日、14日にアンカラでトルコ側との初会合を開く。会合には両国の外交官も出席する。ベシェルとともに、外務省保安諜報局長のハヤティ・ギュベンを長とするチームも出席する。
■「テロ対策の枠組みを決める」会合
本紙の質問に答えたアメリカのロス・ウィルソン駐土大使は「会合は重要な意味を持っている。今後の2国間の対話におけるPKK対策の枠組みが完全に整うことになり、関係機関はより迅速に行動できるようになる」と述べた。この会合がアメリカとアンカラの両方で行われる新たな会合に引き継がれるであろうと述べたウィルソン大使の、PKK問題に関するメッセージは以下の通り:
「イラクにおける安全保障と安定の実現もまた、中東の平和的環境の創出に大きく寄与する。トルコがPKKのテロ攻撃のために、特に北イラクとの関係において懸念を抱いていることを、我々はごく当然なことと受けとめている。地域における2国の継続的な協力がこの懸念を取り除くことにつながる。我々は、PKK問題を扱うこの会合により、トルコの北イラクへの不安を払拭できるものと信じている。
ただし、国境を超える軍事活動がイラクに甚大な被害を与えてしまうという点についてはトルコ政府と同じ考えである。トルコが身柄を拘束し、自国への送還を望んでいるPKKのリーダーあるいはメンバーのリストを我々に渡したのは正しい行動だ。彼らの一部はすでにこう留され、送還のための公的な手続きも開始されている」。
■具体的対応のための戦略
「PKK会合により、トルコがPKKに対してアメリカに望む『具体的対応』がより具体化され、実現に向けた新たな戦略が明らかにされたことになる。初会合で達した結論は、10月2日にジョージ・ブッシュ大統領とエルドアン首相がワシントンで行う会談で正式に決定する。トルコとアメリカの2国間協議が続く一方で、イラクも参加して行われる3カ国協議も実施予定だ。イラク政府もPKK問題に気付いている。PKK問題において、イラクからも具体的な手立てが得られるだろうという希望を持つべきだ。そもそもイラクでは、全土にあるPKKの事務所の閉鎖が始められ、今後も続けられる予定だ。我が国がトルコと行う2国間協議は、3カ国協議から具体的な決定を導くための基礎となるだろう」。
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:3467 )