ボスフォラスで開発促進 (Radikal紙)
2006年09月18日付 Radikal 紙

「セブダーの丘」を理由とした法改正は、開発に前途を開く。

サウジアラビアのアブドゥッラー国王の訪土直後に再び議題に上がったボスフォラス沿いにある「セブダーの丘」は、ボスフォラス海峡の運命を左右する発展の突破口となった。「セブダーの丘」は、1984年にトゥルグト・オザル首相の要求と閣議決定より、当時皇太子であったアブドゥッラー氏に2700万ドルで売却され、何年も手つかずのままだったが、ミッリイェト紙の記事によれば、ボスフォラス開発法の改正に伴い、開発に着手される予定。しかし、その法改正の影響は、アナドルヒサルにある「セブダーの丘」にはとどまらない。ボスフォラスで現在違法とされている何百もの大邸宅も、この改正によって合法化してしまうのだ。

都市計画者たちは、法案がこのまま通れば、「ボスフォラス海峡で新たな開発の容認」という事態になってしまうと強調し、不安げな様子だ。CHP(共和人民党)副党首のムスタファ・オズユレキ氏が「国への裏切り行為」と名づけた法案は、憲法裁判所は通らないだろうといわれている。

(イスタンブル)広域市長のカーディル・トプバシュは、開発許可を得るために先週「セブダーの丘」の調査をおこない、また、もし許可が得られなければ、その土地の代金を返却して取り戻さねばならない、と明らかにした。

「セブダーの丘」を含むボスフォラス沿岸で、新たな開発許可を意味するといわれる法改正に関する反論は以下のようである:

■TMMOB(技術建築連合) 都市計画室ブウラ・ギョクチェ代表:
法案の発端は「セブダーの丘」です。しかし、同じような状態下にある私有地もあります。この法案は、間接的に容認に繋がります。特に、容認されるのは、一般違法建築物ではなく、裕福な大邸宅です。ボスフォラス海峡沿いにある高額で違法な大邸宅を容認するために作成された法案です。選挙を控えたこの時期にこの法案が議題に上るのは自然なことですね。公正発展党政権時代に市民社会組織の意見も取り入れて作成された都市開発法案が、急に棚上げにされましたよ。

都市開発法は、20年に亙り開発法を修正する形で多くの人の賛同を得て作成されました。しかし、議会では議題にすら上りませんでした。この法案では、ボスフォラス沿岸地区の開発停止地の地権者に対し、他の場所と交換する、または、相当額の株で相殺する、といったような解決策が提案されました。

(ところが)今回の改正は、特定の人たちのために打ち出された暫定策です。この法案は奨励されていますが、国民の良心を傷つけるものでもあります。この法案は通ってはいけません。がんばります。結局憲法裁判所で通らないことになるとは思いますが。憲法の環境権の条項に反していますからね。


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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:3523 )