ムバーラク大統領、レバノンのセニョーラ首相と会談(アル・アハラーム紙)
2006年09月15日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領、戦禍の処理とレバノン再建に向けたエジプトの努力についてセニョーラ首相と協議
■ セニョーラ首相:「レバノン国家が全領土に支配を拡大できるよう、エジプトの支援が継続中である」

2006年9月15日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 ホスニー・ムバーラク大統領は昨日、レバノンのフアード・セニョーラ首相とともに、レバノン情勢、イスラエルの攻撃による戦禍の処理に必要な努力、レバノン国家の再建とこの分野におけるエジプトの尽力について議論した。会談では中東地域の現状とそれがレバノンに与える影響にも話が及んだ。

 セニョーラ首相は大統領との会談を「肯定的できわめて良好だった」と評したうえで、「イスラエルによる攻撃の間中、ムバーラク大統領とは常に連絡を保っていた」と述べ、レバノンの困難を支えた大統領とエジプト人民の態度を賞賛した。
 そして、「戦闘中にエジプトがレバノンに与えた政治、外交、援助の分野における支援は、現在の復興段階においても継続されており、レバノン国家がその全領土に支配を拡大できるようにするための支援も続けられている」と述べた。

 レバノン首相は、ムバーラク大統領とエジプト国民に対しレバノン全土からのイスラエルの完全撤退を実現させた努力と、イスラエルに拘束されているレバノン人捕虜の解放およびイスラエルが設置した地雷の場所を示す地図の提供を求める活動について感謝を表すべく、アラブ諸国歴訪の始めにまずカイロを訪問することにしたと指摘した。
また今次の戦争によって、国連決議をすべて履行し、中東和平へのイニシアチブを示し、公平で包括的な和平に向かって真の一歩を踏み出さない限り、イスラエルの安全と安心はありえないということが証明されたとの考えを明らかにした。

 ヒズブッラーがエジプト、サウジ、ヨルダンなどを批判したことがこれらの諸国とレバノンとの関係に与える影響については、「それぞれにそれぞれの意見がある。現在進展中の交渉は、軍事的な戦闘にも負けず劣らず厳しいものであり、レバノンはあらゆるアラブ諸国の支援を受けつつ、この外交的な戦闘に突入する」と述べた。

 そして首相は、レバノン政府がイスラエル兵2人と交換にレバノン人捕虜の返還を強く希望していることを確認し、現在その件は国連事務総長に委ねられている、と語った。

 また新たな挙国一致政府の必要性に関しては、「現在のレバノン政府は議会の信任を得ており、その信任の続く限り政府も継続する」と述べた。

 ムバーラク大統領はレバノン首相との協議を朝食会で締めくくった。首相および同行の使節団に敬意を表して大統領が主催したこの宴席には、アフマド・ナズィーフ首相とザカリヤ・アズミー官房長官も出席した。

 エジプトからレバノンへの支援について、電力・エネルギー省筋は、エジプト政府の支出ですべてのレバノン町村に電気を復旧する計画がこの11月に完了することを確認した。
同筋が本紙に語ったところでは、必要なあらゆる機器が集められ、エジプトからベイルートへ向かう最初の船への積み込みが完了され次第、70人の電気・エネルギー分野の専門家と技師がレバノンの電力網再建のため、来週にもカイロからレバノンに向けて出発するという。
同筋はまた、第一段階はベイルート南郊を対象とし、ラマダーンまでに電気を復旧するよう集中的な努力を行うと指摘した。



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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:3528 )