米国務長官「ベイルート国際空港の再開に向けて努力している」(アル・ナハール紙)
2006年08月27日付 Al-Nahar 紙

■ 子供4人がクラスター爆弾で負傷 地雷撤去キャンペーンつづく
■ 検問所統制に関する報告書提出 ライス長官は空港再開に関心
■ ジュンブラート「レバノンは捕らわれの身であり、シリアの『贈り物』は続くだろう」


2006年08月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 国連安保理決議第1701号の実施を監視・推進するため、国連のコフィー・アナン事務総長は明日、レバノンを訪問する。これと関連してフアード・アル=セニョーラ首相は昨晩、国内治安部隊長官であるアシュラフ・リーフィー少将から、検問所の統制とその実施に必要な事項の検討を委任され同長官が委員長を務める治安委員会が準備した報告書を受けとった。本紙の得た情報によれば、報告書はドイツからの設備移転を待つあいだレバノン・シリア国境の検問所を統制するための緊急の提案を含んでいる。セニョーラ首相はこの報告書の内容を検討のうえアナン事務総長に報告し、さらに内容の実施のためドイツ側に報告する。

 政府関係者がロイター通信に伝えたところによるとセニョーラ首相は明日、ブリュッセル会議の結果についてアナン事務総長から報告を受けるとともに、国連軍展開の手続きについて協議する。また同関係者は、「政府はアナン事務総長に対して、レバノンへの封鎖を解除するようイスラエルに圧力をかけることを要求するだろう。封鎖は安保理決議第1701号に違反しており、レバノンの安定を脅かしているからである」と付け加えた。

■ ライス長官

 いっぽうセニョーラ首相の広報事務所が伝えたところによれば首相は昨日午後、アメリカのコンドリーザ・ライス国務長官と電話会談を行なった。その中でライス長官は「ベイルート国際空港の出来るだけ早い封鎖解除に向けて真剣かつ速やかに努力しており、その努力が望ましい結果をもたらす事を期待している」と述べ、「レバノン政府がレバノン領内における検問所の統制を掌握することの重要性」を主張した。

 またセニョーラ首相は「レバノン国家は、国境地帯およびレバノンに向かう全ての国境の検問所統制のための計画実施に邁進している」との見解を表明した。

 外交関係者が本紙に語ったところによれば、ライス長官は封鎖の解除のために「多大な努力」を行う事を約束し、日程は特定されていないが、近いうちに空港が再開され、これを皮切りに段階的に封鎖の解除が行なわれることを予想している、と述べた。

(中略)

■ ジュンブラート

 パリから本紙のサミール・トゥワイニー特派員が伝えたところによれば、フランス西部ラ・ロッシェルで開催されているフランス社会党の夏の代表大会に出席するため滞仏中の「民主主義会合」代表であるワリード・ジュンブラート議員は記者会見を開き、「レバノンは7月12日以降、イラン・シリア枢軸とイスラエル・アメリカ枢軸のはざまで捕らわれの身になっている」と語った。ジュンブラート議員は「国際社会の諸勢力はレバノン政府がレバノン南部に支配を確立するための支援を段階的に拡大してゆくことができる」と述べ、「レバノン・シリア国境を守るための有効なメカニズムを採用することが必要である。何故ならシリア体制は今後も国境を通して『贈り物』を送りつづけるだろうからだ」と強調した。

 またヒズブッラーの武装問題についてジュンブラート議員は、「力で解決することはあり得ない」と述べるとともに、「アラブとイランの過激主義者たちがレバノンを犠牲にしてパレスチナの松明をかかげること」の危険性を警告した。



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( 翻訳者:工藤章 )
( 記事ID:3392 )