伊首相、シリア・レバノン国境へのEU部隊展開をシリアに提案(アル・ナハール紙)
2006年09月10日付 Al-Nahar 紙

■ ダマスカス、プローディ首相によるレバノン国境へのヨーロッパ軍展開提案の受け入れを否定

2006年09月10日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 シリア当局は、バッシャール・アル=アサド大統領がイタリアのロマーノ・プローディ首相との電話会談で、ヒズブッラーの戦闘員に武器がわたるのを防ぐためにシリア・レバノン国境にヨーロッパ軍を展開させるとの提案に大筋で合意したというプローディ首相の談話を否定した。シリアの消息筋は、アサド大統領とプローディ首相の会談は、レバノンとの国境に展開している「国境警備隊員の装備に関する技術的な事柄に集中した」と語った。一方、シリア・アラブ通信社「SANA」は、「ヨーロッパの国境警備隊がシリア・レバノン国境を監視することをシリアが受け入れたとのいくつかの通信社の報道は事実ではない」と強調した。

 コフィ・アナン国連事務総長は、ダマスカスは武器密輸の防止のための国境警備支援のために一個大隊の展開を約束した、と強調した。

 プローディ首相によれば、同首相はシリア大統領に対して提案を行い、大統領は「大筋において強く合意した」とのことであり、またEUのハビエル・ソラナ共通外交・安全保障上級代表と国連事務総長の支持も得られたという。またプローディ首相はイタリアのバリにおける発言の中で、「EUには国境警備隊の訓練とその展開に関して多くの経験があり、それゆえに私は(アサド大統領に)シリア・レバノン国境監視のためヨーロッパの派遣部隊を展開させるという案を提示した」と付け加えた。また、「専門家が具体的な詳細を決定するために行動を始めた。9月14日のブリュッセルでの次のEU外相級会合で提案を議論することを期待している」と強調した。またEU部隊の兵員は武装しないこと、シリアの主権を尊重して軍服を着用しないこと、アサド大統領が展開すると約束したシリア国境警備隊500名を支援することについても言及した。EUからの国境警備隊派遣は、「イスラエルに対して安全面における追加的な保障を提供することであり、シリア当局には地域状況の安定に向けて国際社会と協力する用意があることを示すものである」との見解を示した。

 その後、イタリア共同通信社「ANSA」が伝えたところによれば、イタリア首相は昨夜シリア大統領と新たな電話会談を行ない、シリア・レバノン国境にEUからの国境警備隊を展開させるイタリアの提案について検討した。プローディ首相に近い筋によれば、同首相はこの電話会談の間に、ヨーロッパの派遣部隊の任務はレバノンとシリアの国境を巡視するシリア国境警備隊に対する「武器も軍服もなしでの技術支援」のようなものになると「繰り返した」という。また、ヨーロッパ派遣部隊の任務の詳細は今後数日の間に予定されているEU代表団のダマスカス訪問に際して協議の中心となるとのことである。

(後略)



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( 翻訳者:工藤章 )
( 記事ID:3545 )