中国が UNIFIL派遣兵員数を増加 トルコ、ロシア、インドネシアも参加準備(アル・ナハール紙)
2006年09月19日付 Al-Nahar 紙
■ UNIFILに中国人兵士1000人、トルコ人兵士は10月末に展開
2006年09月19日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ロイター、AP、AFP、MENA(中東通信社)】
中国の温家宝首相は昨日、中国政府が国連レバノン暫定軍(UNIFIL)増強部隊に参加する中国部隊の数を兵員1000人に増やすと決定したことを発表した。またトルコ外務省は、UNIFIL参加のトルコ人兵士が来月10月末までに配備される見込みであると述べた。ロシア連邦議会安全保障・国防問題委員会のヴィクトル・オゼロフ委員長は、ひと月ほど先のロシア連邦議会において、ロシア軍人を派遣してイスラエルの空爆で破壊されたインフラの再建に参加させる決議が可決されることを期待していると述べた。
中国の温家宝首相は、北京で行われたイタリアのロマーノ・プローディ首相との共同記者会見において、中国がUNIFIL参加兵士を1000人に増強することを発表した。温家宝首相は、「中国はレバノンにおける平和維持部隊に参加する兵員の数を1000人に増強することを決定した」と述べ、「中国はレバノンにおける情勢を大変懸念しており、事態が完全に解決することを望んでいる」と付け加えた。また温家宝首相は、中国がレバノンに対し人道支援4千万元(5百万ドル)を供出すること、うち2千万元は既に送金したことを明らかにした。
14年前にカンボジアで初めて国連平和維持任務に参加して以来、中国がこれだけの数の兵士を海外に展開するのは今回が初めてである。
レバノンでは約200人の中国人技師が国連とともに地雷や不発弾の除去に携わっている。UNIFILの増強は、国連安保理第1701号決議に基づいて兵員数を1万5千人に増やすために行われている。第1701号決議はイスラエルとヒズブッラーの間での「戦争行為」を停止するために、先月安保理で採択されたものである。
5日間にわたる中国訪問の最終日にイタリアのプローディ首相は、レバノンにおける中国の貢献を賞賛した。プローディー首相は、「このことは中国が担う国際的責任がますます大きくなっていることを表している」と述べ、おそらく最終的にはイスラエル・パレスチナ間の紛争の解決にも役割を担うことになると述べた。
■ トルコ
アンカラではトルコ外務省の某高官(匿名希望)が、トルコは来月10月末までにレバノン南部に部隊を展開するはずだと語ったが、UNIFILに参加するトルコ人兵士の数は特定しなかった。
この高官は、「我々の予測ではトルコの部隊は10月末に赴くだろう」と述べ、兵士の数と展開する場所はまだ検討の最中であると説明した。
また、トルコのさる外交筋が述べたところでは、トルコの軍事・外交専門家の一団が来週ニューヨークへ向かい、国連の責任者と面会してトルコ部隊の展開の詳細を協議するとみられている。
すでにトルコの議会は9月5日にトルコのUNIFIL参加を可決している。トルコ人兵士には陸・海における「人道的、後方支援」任務が課せられる予定である。
■ ロシア
モスクワではオゼロフ委員長が、ロシア連邦議会はイスラエルの空爆で破壊されたインフラの再建に参加するためロシア軍人のレバノン派遣を10月25日に可決するだろうとの考えを表明した。オゼロフ委員長は、国防省の専門家の一団が、レバノンで橋や道路の再建を担う予定の工兵大隊が活動する場所の視察を終えてモスクワへ戻ったと述べた。
プーチン大統領は議会に対し、工兵大隊のレバノン派遣を可決するよう求めている。
■ インドネシア
ジャカルタではインドネシア軍のアフマド・ヤニ・バスキ報道官が、軍は近くレバノンに展開するインドネシア軍のためにフランス製戦車32台の購入を決定したと述べたが、この取引に関してはインドネシア議会内で批判が起きている。
バスキ報道官は、「交渉は進展しており、計画にいかなる変更もない」と述べ、現在インドネシア国防省のシャフリー・シャムスッディーン事務次官が取引を実行するためにフランスに滞在していると説明した。
インドネシア人兵士は10月末にレバノン南部に配備されることが決まっている。
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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:3548 )