シリア当局がドキュメンタリー映画監督に尋問(アル・ナハール紙)
2006年09月20日付 Al-Nahar 紙

■ シリア当局、アミララーイ監督を逮捕か?尋問のうえ国外渡航禁止か?

2006年09月20日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ダマスカス:シャアバーン・アッブード】

 シリア当局が映画監督のウマル・アミララーイ氏を逮捕したとされる件をめぐって複数の情報が錯綜している。ウェブサイト「シリア・ニューズ」はアミララーイ氏が逮捕されたと述べているが、人権団体の関係者によればシリア当局は同氏のヨルダン渡航を禁止し尋問を行なったが、逮捕はしていないという。

 国民人権機関のアンマール・クルビー会長は本紙に対して、「我々の得た情報によれば、アミララーイ氏はシリア・ヨルダン国境を通過しようとした際に治安当局から担当部署への出頭を求められ、同氏は月曜日の夕方にこれに応じた。尋問が行なわれ、夜の11時には釈放された」と語った。

 またクルビー会長は、「我々はアミララーイ監督に連絡をとろうとしたが果たせず、翌日彼が尋問を受けたうえ釈放されたことを知った。尋問の内容は不明である」と述べ、原因はおそらく、先日「アル=アラビーヤ」チャンネルにおいてドキュメンタリー映画『洪水』が放映されたことだろうとの見方を示した。

 アミララーイ監督は同作品において、バアス党が学校の生徒に党のイデオロギーを学ばせるための方法を揶揄しており、学校は牢獄のように、生徒たちは意味も分からない大仰なスローガンをただ復唱するだけのように描写している。またシリアの学校がいかに近代的な教育方法から懸け離れているかという問題を取り上げており、コンピューターが学校に届けられても鍵の掛かった部屋の中に布をかぶせたまま放置され、生徒の役に立っていないありさまを描いている。また、いかにもみじめで無感情に見える教師たちの表情を映し出している。

 クルビー会長は、「我々がアミララーイ監督と親しい人々から得た情報では、尋問はこの映画の件と、映画が衛星テレビ局『アル=アラビーヤ』チャンネルで2週間前に、レバノンのラフィーク・アル=ハリーリー元首相暗殺事件の『偽の』証人ムハンマド・アル=スィッディークが出演したのと同じ時期に放映された件に集中した」と述べた。

 ウェブサイト「シリア・ニューズ」は、この2つが同時期に放映されたのは「サウジアラビアのシリアに対するメディアを通じた攻撃」の一環であるとの見方を示した。


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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:3550 )