世界遺産サフランボルのトルコ民家、保険をかけられない理由とは(Yeni Safak紙)
2006年09月21日付 Yeni Safak 紙

ユネスコの世界遺産リスト入りを果たしたサフランボルの民家が、保険加入の問題に直面している。保険会社は、民家の家主らが保険金を得るために放火することを恐れ、これらの歴史的民家の保険加入を避けているのだ。

第7回ゴールデン・サフラン・ドキュメンタリー映画祭が先週、サフランボルで開催され、サフランボルの市長、建築家ニハト・ジェベジ氏がホストをつとめた。この映画祭では、ネズィヘ・カドゥオール氏、ハティジェ・ビュユクカラギョズ氏、ユルマズ・カヴシュトゥルジュ氏が参加して、「無形文化遺産」をテーマとしたパネルトークが行われた。そのパネルトークでは、サフランボルの文化と今日かかえる問題が討議された。

パネルに参加したカヴシュトゥルジュ氏は、サフランボルの歴史的民家に関連して、家主らが直面している問題に言及し、次のように述べた。「どの保険会社も民家に保険をかけることを認めてくれないのです。我々がこれらの家々を放火し、保険金を得ようとしていると考えているからです。」さらに自分たち家主はサフランボルの文化遺産を保護することに全身全霊をかけており、保険金目当ての行動をする人間はいないと強調した。カヴシュトゥルジュ氏は、パネルトークに聴衆として参加していたカラビュク選出の国会議員メフメト・ジェイラン氏にこの問題を国会の議題とすることを提案した。


■嫁たちが涙する部屋

パネルトークではカドゥオール氏とビュユクカラギョズ氏がサフランボルの伝統と風習を説明した。サフランボルの邸宅では、「嫁たちが涙を流す部屋」があることを述べ、ビュユクカラギョズ氏は次のように解説した。「悲しみの全くない家はありません。サフランボルの邸宅でも、悩みのある嫁たちが誰にも気付かれずに涙を流した部屋があります。嫁たちはこの部屋に入り、ひそかに泣いたのです。気づかれた場合でも『悩みはありません』と言ったものでした。」


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( 翻訳者:山下王世 )
( 記事ID:3554 )