挙国一致政府樹立をめぐりファタハ、ハマース間で亀裂(アル・アハラーム紙)
2006年09月23日付 Al-Ahram 紙

■ アッバース大統領:「次期政権はイスラエルを承認することになるだろう」
■ ハマースはイスラエル政府承認のかわりに10年間の停戦を提案

2006年09月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ガザ:アシュラフ・アブルホウル、ニューヨーク:アラーウ・リヤード】

パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、国連総会での演説の中で、パレスチナのどのような次期政権も、これまでPLOと自治政府が遵守してきた諸合意を履行することになるだろうと表明した。また、「これらの合意には、イスラエルの承認、暴力の放棄、パレスチナ独立国家樹立を目指す交渉の継続にPLOが合意した内容の書簡も含まれる」と語った。
 
 これに対するハマース側からのはじめての反応として、パレスチナ自治政府のイスマーイール・ハニーヤ首相は昨日の記者会見で、1967年にイスラエルが占領した土地にパレスチナ国家を樹立することを受け入れる代わりにイスラエルの承認ではなく停戦を提案し、「ハマースはこの問題に関して立場を変えることはない」と語った。(ファタハ、ハマースの)挙国一致政府については現内閣の解散に関して話すことは何もないとして、アッバース大統領と合意したのは大統領が外遊から帰国し次第協議を再開することだけだと強調した。また挙国一致政府は、国民合意文書の文面と精神に則って組織されることになると指摘した。

 一方、パレスチナ首相の政治顧問アフマド・ユースフ氏は、イスラエル国家承認の代替案として、10年間の停戦を提案した。
ユースフ氏は、今夕あるいは明日、アッバース大統領がニューヨークから帰国した後に、挙国一致政府の組閣について協議が再開されるだろうと予想している。

 イスラエル承認の代替案としてハマースが停戦を提案したことに対し、イスラエル政府はその提案を拒否し、パレスチナの挙国一致政府を組織してイスラエルを承認するよう求めた。

 イスラエルのアヴィ・パスナー政府スポークスマンは、どのようなパレスチナ政府に対してもイスラエルが求めているのは、中東四者協議(国連、EU、露、米)が定めた三つの条件を遵守することだと語った。すなわち、イスラエル承認、暴力の放棄、自治政府とイスラエルの間でこれまでに調印された合意の尊重である。


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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:3574 )